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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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ミラ、落ち込むの巻

ミラは落ち込みながら服を着替える。お手伝いしてくれている九条家のご年配の使用人が、そんな落ち込んだミラに声を掛ける。


「華峯様、亜月様は華峯様がご心配で声を荒げられたと思います。貴方様を大切にお思いだからこそです。あまり落ち込まれなくても大丈夫だと思いますよ。」


「…ありがとうございます。」


落ち込んだ顔でそう返すのが精一杯だった。




***皆んなの集う客間



ケイゴとミラが出て行ってから、気まずい空気が流れている。



「先輩、アレはダメですよ…。」


荒木が弱々しい声を出す。


「だって、ああいうイメージ無いでしょ?凄く似合ってたし、あんまりしない格好をしてもらいたいと思って。」


「華峯家は男所帯なんですよ!あんな格好してたら家庭内が崩壊するわ!ああいう格好は、ミラちゃんより派手な先輩の方が合うでしょ!それとも嫌がらせですか!?」


「そんなつもり無かったの!ちゃんとケイゴ君は諦めてるし、単純にミラちゃんの他の顔が見たかったというか…。」


「九条先輩のその好奇心が、俺たちを今正に死に追いやってるんですよ!!どうしてくれるんですか!」


それを聞いて周りの男子たちの顔が青ざめる。


「やっぱりそうなのぉ!俺たち殺される訳ー!?」


「じゃぁもし自分の大切にしてる彼女があの格好で出て来たら、お前らはどうも思う?!」


「「「………。」」」


更に青さを深めるメンバー達。


「俺達は大人しくケイゴにヤられるしか無いんだ…。」


お葬式の様な空に、九条は自分のした事を深く反省した。


ガチャ。


そこへ扉が静かに開かれる。全員が静まり返る。ケイゴが邪悪な顔で入ってくる。無言だ。全員が注目する中、ケイゴは前を向いて宣言する。


「帰る。」


「「「!!」」」


そしてそのままサーっと着替えて出て行ってしまう。


「ケイゴが暴れないなんて…。逆にコワッ!」


ケイゴは本来穏やかな性格ではなく、暴れる時は暴れる。ケンカも強い方だ。荒木とも殴り合った事がある。そんなケイゴが…。荒木は複雑そうな顔になるのだった。




***


コンコンコン。


控えめなノックと共に声が届く。


「お嬢様、お着替えは終わりましたか?」


その声にオズオズと扉を開けて部屋を出る。


「…はい。」


「お嬢、帰りますよ。」


有無を言わさぬ顔に、うなづくしか無かった。


「挨拶をーーー」


「いりません。既に俺が済ませました。」


「はい。」



***



家に着くと、挨拶もそこそこにミラは手を引かれ階段を上がる。そしてポーンと自分の部屋に投げ入れられてしまう。


「け、ケイゴ!?」


無言のままケイゴは去ってしまった。ミラは、話したく無い程ケイゴを怒らせてしまった事に、胸を痛めた。




***




「失礼します。親分、少し宜しいでしょうか。」


「ケイゴか、どうした?」


親分が襖を開けてケイゴを招き入れる。


「あの、急で申し訳無いのですが、しばらく友人の家に泊まっても良いでしょうか。」


ケイゴは何やら変な顔をしている。ミラと何かあった事は明白だ。修学旅行ですらミラと離れたくなくてボイコットする程度には、ミラ教なのだから。


「分かった。どこの家かくらいは言ってくれるか?」


「はい。荒木の所です。」


「分かった。早くミラと仲直りしてくれよ。お前も孫の様なものだからな。」


そう言って親分はケイゴをガシガシとなでる。


「…はい。」


ケイゴは恥ずかしそうに返事をした。




***晩御飯


ミラはタミさんと一緒にご飯を作っている。ケイゴにどんな顔をすれば良いか悩みながらシチューを混ぜている。


「お嬢様、元気がありませんがどうかされましたか?」


「ちょっとね…。」



そのへ親分が声をかける。


「ミラ、タミ、今日はケイゴはご飯いらないぞ。」


「え⁉︎」


ミラは驚く。今まで、ケイゴが外出の予定をミラに伝えない事は無かった。親分の許可を取るより先に、必ず教えてくれていたのに。


(同じ屋根の下にいるのも吐き気がする程なんだわ。)


「私もお出かけしようかなぁ。」


「どちらへ?」


「…夜の街へ。」


ミラの発言に親分とタミさんが慌てる。


「お、お嬢様!どこでそんな言葉を!」


「ミラ、わたしたちが何か嫌な事をしてしまったのかな!済まない!だから、そんな危ない所には行かないでくれ!!」


「ふふふ。ちょと友達の家に泊まらせてもらうだけよ^_^」


ブーブーブー


ミラのスマホがバイブる。


見るとナオからLINEだ。


「相談したい事あるんだって!行ってくる!」


「あ、あぁ、気をつけて。」


ミラは珍しく超早で支度して慌てて出て行く。本来親分はこんな外出は認めない。しかしナオの家は関連企業であり、内部調査もしており『ミラのお友達』として申し分無い。何より元気のないミラに配慮した。




***ナオの家



「ミラ!来てくれてありがとう!」


「ううん。私も家にいたく無かったから、丁度良かったの。」


「何?なんかあったの?」


「彼氏と喧嘩みたいな。」


「ミラって彼氏いたんだね!フリーかと思ってた!」


「内緒にしててごめん。周りには知られたく無くて。」


「複雑な事情があったんだね、ごめんね(゜o゜;;」


「こっちこそごめん!気にしないで^_^ で、相談って何?」


そこへ知らない男の人がやってくる。


「ナオ、お客さん?」


「あ、お兄様。お帰りなさい。」


「あぁただいま。」


「こちらは同じクラスのミラだよ。」


「はなみねミラです。お世話になってます。」


「いつもナオがお世話になっています。兄の修一です。よろしくね。」


「よろしくお願いします。」


「良かったら、オレもご飯に混ぜてくれない?」


「もちろんどうぞ!」


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