表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/243

ケイゴから見たレナという人

初めて会ったのは高一の時。パーティーで社交デビューした日だった。招待客の中にKAHO傘下の九条家がおり、そのご令嬢は一つ年上。重要なら取引先で挨拶は必須。年も近いから将来ミラを支える立場になるかもしれない。その人物を見極める事も、ケイゴの仕事の一つであった。


挨拶をしたレナは、とても美しかった。美人であるのは噂通りだった。しかし見た目だけではミラの力にはならない。ある程度会社の未来を考えて動け、人望も厚くなければ。


しかし挨拶後の彼女はただの女だった。

(九条家は違ったな。)


「…。僕はこのパーティーで人脈を広げて来る様に言われております。レナお嬢様が会社に全く関心が無いのなら、お話しすることはありません。失礼します。」


そう辛辣な言葉を吐いて置き去りにした。こんなのに時間を使う余裕は無い。ケイゴはどんどん挨拶をし、将来ミラと仕事が出来そうな人物を選別していく。


するとまたあのご令嬢が話し掛けてくる。


「ケイゴ様、私の考える会社の今後の展望をお話し致しますわ。」


(さっきは全く会社に目を向けて居ない様子だったが、何かあるのか?一応聞いておこう。)


「是非聞かせて下さい。」


再びソファーまでエスコートする。


「我が社は学用品を下ろしている会社です。それから出版社ももっております。更なる発展の為には、新たな分野のへの進出が大切だと思います。」


(まるで取って付けた様な話だな。)


「新たな分野とは?」


「えーっとー、それはー…。」


やはり時間と労力の無駄だった。


「どうやら九条家は今後迷走しそうですね。僕は顔だけのご令嬢には興味がありませんので。失礼します。」


再び辛辣な言葉を吐いてその場を去る。九条家との関係を悪くするのは良く無いが、時間を無駄にされたイライラをぶつけてしまった。


(やってしまった…。これは怒られるな。はー。)



***



それからしばらくしてもお叱りが無かった。それよりも九条のお嬢様が話掛けて来る様になり、煩わしさを感じていた。しかし、だんだん仕事の話が出来る様になって居るのに気づいた。


「今、お父様のお仕事を少しだけですけど手伝わせていただいているの。ケイゴ様に『顔だけ』と言われない様に!」


そう言って笑った彼女は、以前より魅力的に見えた。


「その節は失礼しました。」


「いいのよ。ケイゴ様の言う通り、以前の私は顔だけだったの。今仕事を教えてもらってて、本当に楽しいの。あっ!」


レナが段差を踏み外す。咄嗟にケイゴは体を引き寄せ支える。抱きしめた形になって。


「大丈夫ですか?先輩。」


「は、はい。」


真っ赤になったレナと見つめ合った。その目に熱を感じた。それは自分にいつも向けられるミラの瞳と同じ熱だ。きっとケイゴも同じ瞳をミラに向けている。だから他の人から向けられるのは良く無いと自覚していた。


憧れの視線なら良い。しかし、恋愛の視線は困る。ケイゴはいつも気をつけていた。恋がエスカレートしてミラに危害を加えられるのを避ける為に。特に自分と年齢の近い者は、ミラにも手を出されやすい。だからパーティーでは紳士に振る舞うが、学校では必要最低限の人物とのやり取りにしていた。それなのに。


(しまった…。)


それ以来レナはケイゴの腕に絡みつく様になってしまった。もし無理に振り払えば、それが回り回ってミラに行くかもしれない。ケイゴは静観する事にした。でもそれがいけなかった。ケイゴを取られたと勘違いしたケイゴファンが、あのストーカー事件を引き起こす事に繋がったからだ。




***



ストーカーに刺されてしばらく休学したケイゴ。復学した時には、既に事件の動揺は残って無かった。


久しぶりにレナに会ったケイゴ。レナはまたケイゴの腕に絡みつこうとする。


「九条先輩、また同じ様な事があるといけませんから、腕を組むのはやめて下さい。」


「ねぇケイゴ様、私が女避けになりますから、どうかおそばにおいて下さい。私も男避けになるし。」


「ですがまた同じ様な事があったら、今度は先輩が危ないかもしれないんですよ。」


「そうかもしれないけど、それでも役に立ちたいの。」


「でも…。」


「お願い!」


「…。(ミラに目が行くよりは。)」


ケイゴは無言で返した。それをレナは承知と受け取った。


(俺も大概酷い人間だな。)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ