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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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ミラ、秘書やります!5

カフェを出てしばらく歩くと、整備された公園があり、その中心には美術館があった。


「ここの公園初めてきた。」


「普段、車移動ですからね。俺もお店の調査で歩いて、初めて来ました。この公園の北側は住宅街になってて、ファミリー層が住んでいます。だからそちら側には遊具があります。東側は噴水、西側には大きな池もあります。」


「へー!」


お話をしながら歩くと、あっという間に美術館へ着く。


中は整然としており、有名な彫刻や絵画の数々が飾られている。


「残念ながらレプリカが多いですが(^◇^;)」


「レプリカだからこそ、こうやって色々な方の作品が展示できるのよ。凄く分かりやすい解説このおかげで、凄く勉強になるわ。無料だし、充分よ!………この絵、ステキ…。」


こちらの壁に一つの絵しか飾られていない。あまり大きくはなく、髪の長い女性が薄桃色のドレスを着て朗らかに笑い掛けている絵だ。『恋心』というタイトルである。


「『今、彼女の幸せだけを祈る』。ねぇケイゴ、この女の人は幸せになったのかなぁ…?」


「どうでしょう。私は会った事がないので何とも言えませんが、彼女は政略結婚をされ、お子様をお産みになったのですが、その数年後、若くしてに亡くなってしまったそうです。」


「…そう。この笑顔は明るい未来を示唆してる様に感じたけど、そうでもないのかなぁ。きっと作者にいつも笑いかける方だったのね。だから、私達にも笑いかけてくれる。」


(いつも笑いかけてくれるのは、貴方も一緒ですよ。)


2人はしばらくその絵の前を動けなかった。



***



「この部屋はある画家のアトリエを再現したものですね。」


「アトリエと言うより書斎に近いね。」


大きな本棚と机、窓がある。机には描きかけの肖像画だろうか、鉛筆でアウトラインが引かれている。


(よく見ると、窓枠に小さなバラの装飾があしらわれてる。カワイイ❤︎)


窓から向こうを眺めると、そこからケイゴが見える。


(あー。画家もこうやって外を見ていなのかなぁ。)


ふとさっきの肖像画が頭をよぎる。額縁と窓枠が重なる。窓の向こうのケイゴと目が合い、彼は微笑む。ミラはその様子を見てハッとする。


(あの絵は、ここから見た女性?だから不自然に窓枠に装飾かあったんだ。彼女を正に絵画の様に感じていたのね。)


「行きましょうか。」


「うん。」


差し出された手を、ミラは握る。何かを考えてぼーっとしているミラの手を引いてズンズン歩く。気づく東屋に来ていた。ハンカチをベンチに敷いたケイゴに、そこに座らされる。


「如何でしたか?美術館は。」


「うん。綺麗だった。…あの絵が忘れられない。あのアトリエも。」


ケイゴは朗らか笑う。


「あの絵の女性は、きっと幸せだったと思います。もちろんお子様を残して逝ってしまったのは、悔い気持ちもあるでしょう。でもきっとご夫婦で仲良く空から見守ってるんじゃないでしょうか。」


「結婚相手も亡くなったの?」


「ええ、2人揃っての事故だったそうです。」


「………私と似た境遇なのね、その子供は。幸せになって、人生を終えてたらいいね。」


(あの絵はお嬢のお母様をモデルに描かれたもの。)


***


市場調査中


(この美術館、初めてくるなぁ。この絵絵、不思議な感覚だ。)


「その絵が気に入りましたか?」


声に振り返ると、50代くらいの男性が立っている。瞳に憂いがある。


「ええ。何か不思議な感覚を覚えて。」


「そうですか。彼女は作者の幼馴染でね。いつも本を読みふけていた作者を、窓から呼んで、外に連れ出してくれたんだよ。ずっとその笑顔が自分だけに向けられるものだと、信じて疑わなかった。しかし政略結婚をしてしまった。そして子供を産んで数年後、事故に合い亡くなった。彼女が亡くなった後、作者宛の手紙が2通見つかってねぇ、一つは実家、もう一つは住んでいた家に合ったそうだ。ご実家にあったのには、『貴方は私の初恋だ。でも関係を崩したくないから打ち明けられなかった』と書かれていた。もう一通には『愛する人と出会い、赤ちゃんにも恵まれて幸せに暮らしている』と書かれていたそうだよ。あの絵が描かれたのは、そんな心にポッカリ穴が空いた瞬間。自分を慰める為に描いたんだ。」


「…。あすか様。」


男はハッとした様にケイゴを見る。


「近くに新しくカフェがオープンします。ここに来られた時にもし良ければお寄りください。」


***



「お嬢は幸せですか?」


「うん。もちろん不幸なこともあったけど、たくさんの方に出会えて、好きな人とも一緒にいられて。」


ミラはケイゴに向き直し笑う。すーっと2人は近づき、誰もいない東屋でキスをする。


「やだー!外でこんな事を\(//∇//)\」


「誰も居ませんよ(^_-)」


「\(//∇//)\そーゆー問題じゃなぁーい!」


その暖かな様子をあの男性が見ていた。

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