パーティー2
しばらく続きます
「兄上?」
そこに何と無く聞きおぼえのある声が聞こえ振り返る。
「「あっ!貴方は!」」
ミラと声の主の声が重なる。
「おー見事なハモリだねー。どうしたんだい?我が弟よ!」
レオはさっきから下手な役者バリに大袈裟な言動であるが、二人は無視して話す。
「どうして華峯様が!」
「どうして亮平さんが!」
二人で同時に言葉を発し、混ざって聞こえる。目をぱちくりし、暫く見つめ合う。
「で?カヘイさんとは?」
レイに答えたのは亮平だった。
「カヘイさんじゃ無くて、華峯様ね。」
「え!華峯と言えば、MKWの会長の名前じゃん!君がぁー!?」
「まぁ、そうですね。」
そこで急にザワザワし始める。周りを見回すと、主催者家族が出て来た。しばし注目していると、お淑やかなお嬢様の手を取って、恭しくエスコートしている男性に目が釘付けになる。
「えっ?ケイゴ様?華峯様のエスコートじゃ無いんですか?」
亮平はミラを見る。ミラはケイゴに釘付けで、自分に質問されている事に気づいてない。そこにレイが加わる。
「ケイゴ様だ!珍しく美人を連れてるじゃないか。いつもはパッとしないご令嬢を連れているのに。いつも一緒にいるご令嬢はね、亜月さんの引き立て役。顔なんか記憶にも残らないんだよ。」
どうやらさっきの亮平の話は料理に夢中で聞いていなかったようだ。
「へー( ̄▽ ̄)。」
レイの言い草を聞いて、ミラは素知らぬ顔で返事する。一方、亮平はハラハラして兄の発言を止めようとしている。
「あのくらいイケメンには、やっぱり美人だよなぁー。胸元も素晴らしい!」
「兄貴!!」
「セクハラですね( ̄▽ ̄)。」
亮平はミラをチラチラ見て慌て、ミラは冷静にツッコム。
(ケイゴ、あの短い期間にパートナーを見つけたんだぁ。それにしても、確かにお似合いだなぁ。私が会いたいと焦がれている時に、ケイゴは他の人と仲良くしてたんだ。でも、ケイゴからすると、私もまたケイゴのいない所で樹お兄様と準備をしてて。しかも泊まり込みで。そう考えるとお互い様。寧ろケイゴより準備の時間があった私の方が、ケイゴからしたら何をやっているか分からないかもしれない。それにあんなにキレイで素敵な方、誰だってクラッとするわ。)
ミラは思い詰めた様子でケイゴを見つめる。どこと無く顔色が悪い。
「私少し失礼します。」
「あっ!待って華峯様!」
蒼い顔で出口へ向かうミラを心配した亮平が、ミラの後を追う。
「すみません、休憩室は…。」
スタッフに声を掛けると、顔色の悪さに驚いて急いで案内してくれる。亮平は女性控え室の前まで来るが、それ以上入る事も出来ずフラフラしてしまう。
案内していたスタッフにミラの様子を聞こうとすると、「暫く休むので大丈夫、会場に戻って下さい」と言付けを伝えられ、亮平は気になりながらも、会場へと戻る。




