エンジョイパーティー!
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パーティーの準備期間はあっという間に過ぎた。それもケイゴにほぼ会いないままに。 2週間の間、何回か家に帰ったが、ケイゴはほぼ居なかった。居た日もバタバタとしていて、声をかけられなかった。一瞬目が合った時、ケイゴがフッと笑って近づいて来てくれたが、遠くから呼ばれて行ってしまった。
ケイゴは私と会えなくて平気なのだろうか。私だけがこんなに会いたいと思っているのだろうか。忙しい合間を縫って作ってくれる解説プリントやメールの文も、ビジネスライクだ。
(私達って、本当に付き合ってるのかな?両思いだったとうのは、私の勘違いだったなかな…。それとも会わないうちに気が変わったのかも。)
どんどん不安になってしまう。そんな風に思うのは、ミラがケイゴを愛しているからで。
「どうしたの?」
今にも泣きそうなミラを、もう何度も見ただろう樹が声を掛ける。
「ホームシック…かな?」
ことも無げにミラは答える。その様子を見て、樹は何も知らない振りをする事にした。ケイゴが他の令嬢をパートナーとする事など、今のミラには伝えられなかった。
(例え僕が昔より腹黒くなったとしても、伝えられないな。その代わり、卑怯かもしれないけど僕が支えるから。)
***
夕方、もうそろそろパーティーへ出かける時間だ。そんな時に、ミラのスマホが鳴った。ケイゴからのLINEである。ミラの顔は一瞬にして明るくなり、元気を取り戻した。
「樹お兄様、行きましょ♪」
『なかなか連絡出来なくてすみません、お嬢は元気にしてますか?今日、美しい貴方を見るのを楽しみにしています。早く会いたい。』
LINEの向こう側のケイゴは、きっと真っ赤だろうと想像して、ミラも同じ顔になった。




