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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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パーティーの準備〜一方ケイゴは?〜

ご覧いただきありがとうございます!

系列企業のパーティーへの出席を告げられたのは一昨日。今までならミラ中心にドレスやお飾りなどの準備をゆとりをもって行うが、今回はべつ。ミラについてはノータッチで、自分の衣装のみ決める。ただ今まではエスコートという事で、目立たないスーツにしていた。


しかし今回は初めて招待客として行く。その為今までみたいな選び方では許されない。周りの人にアドバイスをもらって、概ねの衣装を決める。授業や大学のレポートもある為、あまり準備には時間が使えない。明日にでも購入しに行こうと考えていると、親分に声を掛けられる。


「ケイゴ、ちょっと話がある。悪いが来てくれ。」


「はい。何でしょうか。」


部屋に入ると、親分の普段座っている席の向かいに、装丁の美しい写真が置いてある。そちら側に目線で誘導され、椅子に腰掛ける。


「見なさい。」


その写真は美しい女性が朗らかな笑顔で写っている。


「何でしょうか。」


ケイゴはそお見合い写真の様に見えるそれを見て、気づかないフリをし親分に問いかける。


「ウチの傘下の会社の令嬢だ。」


「そうですか。」


しばし沈黙が流れる。親分とケイゴは決定的な言葉を相手から吐き出させようと、自分からは言わない。その沈黙に耐えかねたのか、はたまた埒が開かないと思ったのか、親分が口を開く。


「今度のパーティーで、彼女をエスコートしなさい。」


「相手は自分で探せと仰ったではありませんか。無理なら一人で参加しろと。」


ケイゴは「冗談でしょ?」の意味を込めて言う。


「確かにそう言ったが、ミラをエスコートしない以上、お前は相手を探そうともせず一人で行く事を選ぶだろ?」


「まぁ、そうですね。時間的な事もありますし、僕はミラを愛していますので、勘違いされたくありません。」


ケイゴは親分の瞳を強く見返す。二人の仲を認めてもらおうという瞳だ。


先に目を逸らしたのは親分だった。


「フッ。ありがたいよ(^_^)しかし、お前を一人で行かせる訳にはいかない。今回の主催者の娘、蓮見ルカは知っているな。」


「面識はありませんが、資料で確認する限り大学の後輩ですね。」


「そうだ。そのお嬢さんは以前からお前を好いていたそうでな、是非にと言われた。」



「………。」


ケイゴは無言である。しかし顔はあからさまに『嫌だ』と言っていた。


「多数の会社を束ねる者として、多少の便宜を図るのは当然だと思う。」


「なぜその便宜を図るのが僕になるんですか。」


ケイゴは苛立ちはあるが努めて言葉を選んで発した。


「悪いとは思う。だがここは譲れん。一つ貸しでどうだ?」


「………分かりました。」


ケイゴは苛立つ感情を抑え込みながら答える。どうせ答えはyesしか無いのだ。だから本音を押し殺すしか無かった。


***


部屋に戻るともう23時を過ぎている。この時間にミラの部屋へは行けない。その代わりミラから今日の質問用紙が届いている。ケイゴは急いでパソコンに向かい解説を作りミラへ送る。そして翌日の授業の準備やレポートを少しして眠りに就く。


朝になればミラを起こしに行く仕事がある。その時に少し話せるかなと楽しみにしていたが、それは叶わなかった。なぜならミラは、衣装合わせやダンス練習の為、暫く樹の家に通う事になり、遅くなる日は泊めてもらう事になったからだ。全く知らされていなかった事態に、ケイゴは呆然とする。


パーティーまで後12日、ケイゴとミラは会えないのである。


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