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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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いきなりのピンチ?

後半部分をかなり加筆しました!

「それでは問い2の問題解いてみて。」


結城先生の授業中、急に全校放送が流れる。


ピンポンパンポーン


「お呼び出しを申し上げます。一年c組華峯ミラさん、一年c組華峯ミラさん、学園長室まで来てください。」


パンパンピンポーン


クラス中がシーンとなる。そして数秒後ざわつき始める。慌てたように結城先生がミラに声を掛ける。


「おい、華峯。いきなり学園長呼び出しなんて、一体何したんだ!


「や、やっぱり今の放送私ですか…?」


「それ以外居ないだろ!で、何やったんだよ!?」


「えー心当たりないです_:(´ཀ`」 ∠):」


「呼び出されてる以上、取り敢えず行ってこい。」


「は、はい…。」


クラスメイトが見守る中、ミラは渋々学園長室に向かった。



***


コンコン


「失礼します、華峯です。」


「どうぞ。」


恐る恐る中に入ると、そこには学園長先生とおじいちやんが居た。


(おじいちゃん!?なんで!)


「ミラちゃん、久しぶりだねぇ。大きくなって。」


学園長が朗らかに笑う。彼とは昔からの知り合いである。


「ご無沙汰しております。」


「そんなかしこまらず、いつも通りでいいんだよ。」


「おじ様、お久しぶりです。」


うんうん。と、朗らかに笑いながらソファーを勧めてくれる。ミラは一礼して祖父の横に腰掛ける。


「急に呼んでごめんね。びっくりしたでしょ。」


「ええ、すごくしたわ。で、どうしたんですか?」


ミラは二人に問うと、おじいちゃんから発せられた。


「今度、系列会社で夜会があるのは知っているね。急遽、ミラも参加することになってな。」


「え?急遽?」


「そうだ。元々はミラに外交をさせるつもりは無かったし一人で出席するつもりだったが、傘下のトップたちが丁度年頃の子息令嬢をもっていたなぁ、折角だし交流したいと言い出して。そういう要望は拒否できなくてなぁ。ミラも16歳になったし、参加しなさい。」


「分かりました。」


「早速ーーー」


と、おじいちゃんが言いかけた時、扉がノックされる。入室を促すとケイゴが入ってくる。


「ケイゴ…」


「失礼します。学園長先生、無礼をお許しください。」


「いや、構わないよ。ケイゴ君、君も楽にしなさい。」


ケイゴは返事をしてミラの座っているソファーの傍に立つ。


「ケイゴ、今度夜会にミラが出ることになった。お前も出さない。」


「え…承知しました。」


「それから、ミラはしばらく準備で休む事になる。その分授業が遅れるから、仕事から帰って来たら勉強を見てやりなさい。」


ケイゴが返事をしようとした時、ミラが答える。


「ケイゴは忙しくて無理よ。日中は仕事で夜も私の勉強を見るだなんで。大学のレポートもあるのよ!」


「お嬢、大丈夫です。折角いただいたチャンスです。精一杯努めさせて頂きます。」


「それからパートナーだが、ミラは私たちがエスコートする。ケイゴは自分で見つけなさい。見つからない場合は一人で出席しなさい。」


ミラは何故だろうと思う。普段ミラが招待されているパーティでは、ケイゴがパートナーを勤めてくれる事が多い。例えケイゴ自身が正式に招待されているからと言って、わざわざパートナーを変える必要は無いはずた。


見目麗しいケイゴの隣りでは、いつも自分が霞んでいるのは覚悟している。それでも一緒だと安心して出席でき、普段に増してかっこいいケイゴを間近に見られるのも、自分だけの特権であり嬉しかった。


しかし今回はダメだと…。ケイゴはいつも、招待されたミラの手前、飾り立てることはない。しかしそれでも会場の女性陣からの視線を奪っている。話しかけようとする女性も多い。飲み物を取りに一人になった瞬間を狙って話しかけられ、なかなか戻ってこない事もある。それでもミラが少しは防波堤になっていた。


今回、もしケイゴが一人で参加したら、絶対たくさんの女の子達が話掛け、ダンスもするだろう。もっと不安なのは、パートナーを同伴した場合だ。もしパートナーがいれば、今度は私が彼の防波堤に除けられてしまう。


(自分で私以外の女の子を選んで連れてくるなんて、耐えられない…。)


ミラは既にまだ居ないはずのケイゴのパートナーにやきもちを焼いてしまう。


親分はミラとケイゴの仲を知っている。もちろん、祝福もしている。可愛い孫と、孫の様に可愛がっているケイゴが付き合っているのを、とても嬉しく思っている。しかし二人を同伴させる事は出来ない。今回は色々な思惑があるからだ。一つは業務提携。ミラにはパートナーは自分達と伝えたが、本当は樹である。


先日大人しく帰った樹だったが、諦めた訳ではない。業務提携関連で仲良くしている所をアピールする為、パティーの同伴を要求して来たのだ。


だから企業のトップとして、実の孫の様にケイゴを思っているが、決して一線は超えない。それに、幼い頃よりミラと一緒にいたケイゴは、年が1番近いミラに思いを寄せるのは至極当然だと親分は思っていた。


勿論学校に行っているのだから、出会いはまずまずあるだろう。あんな顔だから、きっと女に苦労はしない。それでも幼い頃の、刷り込みの様にミラを好きになったのだとしたら、それは申し訳ないと思っていた。ケイゴは井の中の蛙だ。ミラに囚われている節もある。そんなケイゴに、違う視点から世界を見て欲しいと思う。


そんな思惑を知らないミラは、苦しそうに話を聞いていた。


***


授業中の教室ーーー


結城先生が、歩いてくるミラを見つける。ちょっと元気が無いのを感じる。


「華峯、大丈夫だったか?」


「はい。でも今日はこのまま早退することになりました。」


「そうか、気をつけて帰られよ。」


「あは^_^変な言い回し。」


思わず少し笑ってしまった。


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