デートの後始末。
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ミラとナオコがレストルームから戻り帰り支度をしていると、樹が戻って来る。
「ミラちゃん、僕はナオコちゃんを送って行くから、悪いんだけどミラちゃんはお家の人と帰ってくれる?」
「お家の人?」
「そう。もう迎えに来てくれてるからさ、ここでちょっと待ってて。」
「そっか、分かった。じゃぁ、ナオまた明日ね!」
「うん、またねー!」
***
あー紅茶もケーキもおいしかったなぁーなんて思いながら待っていると、ドアがノックされる。
ドアを開けようと立った瞬間、勢い良く扉が開かれて、そこには不機嫌そうな男が彼に寄りかかりながら立っている。
「ケイゴが迎えに来てくれたんだ!忙しいのにごめんね、ありがとう!」
ニコニコしながらお礼を言うが、返事がない。それどころかズカズカ部屋へ入り、ソファーにドスンと腰を下ろす。
ミラは何がなんだか分からず、ケイゴの方を見る。しばらく見つめていると、やっとケイゴと目が合い、ケイゴは視線でソファーへ誘導する。
ミラは大人しく隣に座り声を掛ける。
「はっ!ごめんね、気づかなくて!お礼にご馳走するから、好きなもの頼んでね。」
「は?何のお礼だよ?」
突拍子の無さに、つい地がでる。
「迎えに来てくれたお礼!本当にありがとね!」
ケイゴはため息をついてから、ニッコリ笑う。
「ねぇ、お嬢?聞きましたよ。貴方が男をナンパしたこと。」
「ナンパ?してないよ?」
「ナンパした男とLINE交換しましたね?」
「えっ!あぁ、亮平くんのこと?したした!」
その言葉を聞いて、ケイゴは目を細めて妖艶に微笑む。右手がミラの頬をなぞり顎を捉える。いつの間にか顔がとても近い。
「随分と嬉しそうですねぇ、ナンパの成功がそんなに嬉しかったですか?」
「ナンパじゃないけど、前に助けてもらったからずっとお礼したかったんだもん。その時は教えてくれなかったし。」
「ふーん。それで俺というものがありながら、男をナンパした、と。どうやらお仕置きが必要みたいですねぇ。お嬢?」
そう言ってケイゴは更に妖艶に微笑んだ。
「えっ?お仕置き?」
「そうです。」
***
ケイゴはミラを引っ張って、お店の上層階へ来ている。ここは夜遅くまで呑んでいた人が始発を待つのに取る部屋である。もちろん、それ以外でも宿泊して行く人がいるのは暗黙の了解だ。
「わー!綺麗なお部屋だね!!さすがホテル!あのエントランスの花もステキだったし、このお部屋も素敵な空間❤︎」
「お嬢、この状況分かってますか?」
「うーん、迎えに来てくれたのに、帰るんじゃ無くて何で部屋に来てるんだろうって疑問はあるよ。」
「いや、そうじゃなくて。」
ケイゴは、はーっと盛大にため息をついた。




