デートしよう3
前話が短かったので、もう一個投稿します。
ケイゴは美琴に連絡する(美琴:Liseのオーナーでケイゴの高校生からの同級生です)。
《おう、ケイゴ!この間ぶりー。どうした?》
「お前、今店にいる?」
《いや、今日は行く予定無いけど。レポートで死にそう。》
「ふーん。今、ミラが誰かとLiseにいるみたいで、向かってるんだけど。」
《分かった。スタッフに確認するわ。待っとけ。》
一旦電話を切ると、程なくして架かってきた。
「どうだった?」
《俺らくらいの男と、ミラちゃんとその友達が来てるらしい。》
「ふーん。(俺らくらいの男って多分あの幼馴染だな。あのヤロー!)分かった。」
そう言ってガチャ切りする。ついイライラしてしまった。
***
Liseに着くと、以前から顔馴染みの店員がVIPに案内してくれる。どうやら美琴が話を通してくれていたようだ。チラッと覗くと案の定、樹とミラとナオコがいる。
(アイツಠ_ಠ)
やはり見るだけでイライラしてしまう。中に入ろうかと思ったが、クラスメイトまでいるとなると、そうは行かない。どうしようかと考えていると、ミラが必死に店員に何やら話しかけ出す。
店員が手で制したり首を軽く振っているところを見ると、何かお願いしているのか?しかしミラは引き下がらず何かを訴えている。
(店員とトラブルか?)
そうしていると、ミラと店員がスマホを出し合い何かし出す。終わるとミラはスマホを胸に当てていい笑顔で喜んでいる。
(あぁ?なんだアレಠ_ಠ)
嬉しそうにしている顔を向けられているのが自分では無く知らない男だと思うとイライラした。
じっと様子を伺っていたケイゴに、案内してくれた店員が声を掛ける。
「亜月様、どうされますか?」
「あぁ悪いな。ちょっと入れないから、他の場所で待たせてもらおうかな。」
「かしこまりました。ではご案内致します。」
***
しばらくして、樹がチェックしていると、そこにケイゴが現れる。
「樹様、ミラに何のご用でしたでしょうか。」
「ケイゴ君も来ていたんだね。しかも彼氏として来たと。」
「そうです。そろそろ俺のミラを返してもらえますか?」
「返しても何も、僕は正当な婚約者だよ。」
「ミラは承知していません。それにまだ正式じゃないですよね。」
「すぐだよ。元々ミラは僕の事が好きだったんだから。」
「あぁ?ಠ_ಠ」
「昔は僕の事を好きだと言ってくれてね、後をずっと追いかけられてさぁ、ほっぺにキスをすると真っ赤になるんだ!懐かしいなぁ。」
樹は自慢する様な声色だ。
「はっ!昔の話をされても。今は俺のですから。」
ケイゴも負けずに鼻で笑いながら応戦する。
「どうかな?今日だってデートに付いて来たし、僕の方に心が傾いてるんじゃないかなぁー。」
「はぁ?ಠ_ಠ」
「あっでも、デート中他の男と連絡先交換するのはやめて欲しかったなぁー。」
「連絡先を交換だと?ಠ_ಠ」
「そうだよ。前に助けてもらった人と再会したみたいで、お礼がしたいって。僕をそっちのけで。アレはちょっと悔しかったなぁ。」
「腹立つ。」
「それは僕も同意。」
二人の男が初めて共感した瞬間だった。




