呼んでないお客様。
今日は短いお話です。
仕事が終わり家へ帰ると、珍しく来客中だった。親分が対応しているのかと思えば、なぜかミラ。みんなに聞くとミラの昔からの知り合いで、晩御飯を一緒に食べているとのことだった。
「お酒も呑んでるから、今日は泊まるんじゃないかなぁー?」
「えっ?お嬢がお酒の相手をしているんでか?危ないじゃないですか!!」
「お嬢がお兄さんみたいに慕っている方だから大丈夫だよ。」
屋敷の人達はそう言って、何も心配する様子がない。
(酒に酔った男がオオカミになるのはよくある話だろ!)
そんな事を考えて、用事も無いのに部屋の前をフラフラしてしまう。お風呂から上がったミラが、客間の布団を準備しているのが目に入る。代わろうすると客人が帰ってきて話を始めた。「お休み」と聞こえて部屋の方を見ると、ミラを抱きしめる男の姿が!!
(俺のミラに何してんだよ!離れろー!)
客の男と目が合いついつい睨んでしまう。男はミラを見ながら柔らかく微笑んでいたが、ケイゴと目が合った瞬間、ちょっと驚いた顔をした後、勝ち誇った様な挑発的な笑顔になった。
(あいつ…。)




