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消しゴム分割事件

私の席は、二列目の真ん中辺り。


先生からよく見える場所だ。


だからと言って、なんて事は無いんだけど。


「改めて担任の結城将真だ。担当教科は国語だ。


高校は人生の大切な時季。


今からの3年間が、君たちの一生を


決めることもある。


そんな時季に立ち会えることを、


とても光栄に思う。これから宜しく。


次は亜月先生お願いします。」


「亜月ケイゴです。皆さんと年も近いので、


気軽に話しかけてもらえたら嬉しいです。


担当は数学ですが、物理や英語も好きです。


授業で分からないところがあったら、


いつでも聞きに来て下さい。」


「亜月先生ありがとう。


では、オリオンテーションを始め…。」


「あー!!先生、ポートフォリオ忘れたぁー!」


「…滝川初日からやるなぁー(苦笑い)。


隣に見してもらえ。」


「ねぇ、ポートフォリオ見せてくれる?」


滝川は少し周りを見回してから、ミラに声を掛ける。


「あっ、うん。いいよ!じゃぁ、席くっつけるね。」


「ありがとう!華峯さんも、困ったら何でも言ってね!」


「アハハ。このくらいいいよ!」


(お隣さん、話しやすい男の子で良かった!)


「ここ、大事だからメモって。」


(あ!筆箱出して無かった。


あれ?あれ?あれ?


無いー!筆箱…忘れた…初日に…。


私の出鼻が挫かれた…。)


「どうしたの?」


「あの、筆箱忘れたっぽくって…。」



「一日貸してあげるよ!ポートフォリオのお礼!」


滝川くんはシャーペンを渡してくれる。


「いいのぉ!?ありがとう(感涙)」


「消しはゴム一個しかないからー。」


そう言うと、滝川くんは消しゴムをケースから出し、徐に割った。


「半分どうぞ。」


「えっ!消しゴム割っちゃって良かったの?」


「いいよ。もう千切ったし。」


「ありがとう。じゃあ、一日借りるね!」


少し申し訳なくも感じたが、優しい隣人さんに救われて、


オリエンテーション一日目は無事終わった…


と思ったんだけど、


帰り際、ある人物に止められてしまったのである。

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