一難去って…
「華峯さん、ちょっとお話があります。来てくれる?」
帰りの支度をしていると、真綾に話しかけられる。
(なんだろう?でも、先生と仲良くなれるチャンスだ!)
いつも男子とばかり話している先生は、あまり女子生徒と仲良く無い。その性格は、数日で顕著になっていた。
連れてこられた先は、『進路相談室』。実習生が自由に使える部屋だ。今は真綾先生の専用室となっているとなっている為、とても広く感じる。
「ねぇ、ミラちゃん。」
真綾はねっとりとした声で言う。目は笑っていない。
「はい!なんですか?」
「貴方でしょ。ケイゴの彼女は。」
ミラは一瞬固まり、大きく息をする。
「違います。」
冷静に、冷静に言葉を紡ぐ。
「だって、あの日聞こえちゃったもん。『ミラ』って。それで、貴方をつけたの。」
「………。付き合ってません。訳あって居候させてもらってるんです。」
「でも、先生と生徒が同じ家にいるのがバレたら、まずいんじゃない?しかも、相手はケイゴ。学校の子が知ったら、どうなるかなぁ。」
「何が言いたいんですか?」
「私、今まで色んな人と体の関係を結んできて、中には女の子もいたわ。私は違うんだけど、向こうから言われちゃ、しょうがないわよねぇ。結構良かったわ。それを、貴方にも教えてあげようと思って❤︎」
(どうしよう…ケイゴ、助けて!!)
「ケイゴを弄んだその体、私も楽しませてもらおうかしら。」
キーンコーンカーン
「完全下校の時間ですよ。靴箱に靴が残ってると、怪しまれます。」
「大丈夫よ。見回りはしばらく後だから。ねぇ、華峯さん、ケイゴが大変なことになって欲しく無いなら、服を脱ぎなさい。」
その日、ミラは真綾から性的な虐待を受けた。服を脱がされ、肩を噛まれ胸を…。
***
帰宅
(普通にしなきゃ、ケイゴにも皆んなにも迷惑かける。)
「ただいま。」
「お帰りなさい、お嬢。」
「ケイゴ!?早いね!」
「確かに今日は早く帰宅しましたが、お嬢は遅かったですね。」
「ちょっと勉強してたから。」
「……ふーん。」
「お腹空いちゃった!ご飯♪ご飯♪」
ミラは歌いながらケイゴの横をすり抜ける。ケイゴに怪しまれて無い様で、安心した。
(?)
しかしケイゴはミラの異変に気付く。そしてそれを話してもらえない自分に情けがさと苛立ちで険しい顔をしている。




