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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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遅れた時間を取り戻せ9

車内でもミラは終始無言だ。


「こちらをどうぞ。」


ケイゴは水筒から紅茶を注いでミラへ渡す。フワッとアールグレイの香りが広がり心地よい。ミラはそれを一口する。


「美味しい…。」


「落ち着きましたか?」


「…うん。」


「クッキーもありますよ。」


そう言って個包装の可愛いクッキーを差し出す。カフェciel RoZeのものだ。因みにミラが食べたり使ったりする物の多くはciel RoZeとなっており、下着も夏休みのインターンの時のものだ。


ミラはクッキーをカリカリ食べているが、顔ははれない。


「お嬢は、デートをしたから浮気したと思ったんですか?」


「…もちろんそれもあるけど…ドキッとしてしまったから…。ケイゴを愛してるのに他の人にドキッとして許せない…。」


ミラは再び泣き出す。


「ごめんなさい。」


「つまり、俺以外とデートして俺以外にときめいたから、浮気したと。」


ミラは泣きながら頷く。


「…白状します。俺は以前、貴方のお母様の写真を拝見して、ドキドキしました。」


「えっ?」


ミラは驚いて顔を上げる。ケイゴは優しく微笑む。


「浮気でしょうか?」


「でもケイゴはお母さんと会ってないじゃん。」


「もし会っていたら、ずっとドキドキしてたかもしれません。」


「…それでも浮気じゃないと思う。」


「そうですね、俺もそうだと思います。例え一時ドキドキする事があったとしても、根本迄は動かない。それならそっと心にしまっておいて下さい。知ってしまうとヤキモチを妬いちゃいますから。」


照れくさそうな顔にミラも恥ずかしくなり赤面する。


「私が好きなのはケイゴだよ。」


「分かってますよ。だから今回の件は許します。」

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