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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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荒木のお店

前前回の続きです。

お楽しみいただけたら嬉しいです。

VIPルームが空いたと店員が伝えに来たため、そちらに移動する。


そこは、先程のカフェ風とは違い、とてもシックで大人っぽく、正にデザイナーズルームといった感じ。気後れしてしまった。


その雰囲気に溶け込むケイゴと荒木。大人だからという訳では無い、『何か』でイケメン二人の魅力が倍増している。それに比べてミラは…。


(場違い半端ない…。)


ため息が出てしまう。


「どうぞお掛け下さい。」


エスコートしようとする荒木の手をケイゴが取っ捕まえて、「ありがとう」とキリキリした笑顔を向ける。


荒木は『面白いもん見た』という顔をして、「ごめん、ごめん」と如何にもわざとらしい。


ケイゴは、改めてミラの手を取りエスコートし、座ったミラの膝に膝掛けを、肩には自分の羽織っていたシャツを掛ける。


「えーっと…、寒く無いよ?」


ミラは首を傾げる。


「良いから、黙って掛けとけ。」


眉を寄せて放たれた言葉に、ミラは素直に従った。


それを見て荒木は、ケイゴの変わり様にびっくりしつつも、幸せなんだと思い嬉しくなった。


荒木はミラにそっと耳打ちする。


プルルルル


ケイゴのスマホが鳴る。


「ちょっと仕事の電話。荒木、ミラにそれ以上近づくなよ!」


言いながらケイゴが退室すると、荒木はミラの向かい側のソファーに座りながら、飲み物をくれる。


「ありがとうございます。」


「あいつさぁ、今まで彼女が居なかった訳ないと思うんだけど、一切そういう話しないんだよ。だから、彼女とは紹介された事一回も無かったんだ。」


ミラは驚きつつ、真綾先生も?と疑問に思いながら話を聞く。


「意外?」


「意外…では無いですが…。ケイゴは自分の事あまり話さないですし。」


「ですがっていうのは、何か気になってる?」


「あの…真綾先生については…。」


「あー。荻野真綾のこと?付き合ってる噂はあったよ。でも、実際はどうか分からん。よく教室に真綾先輩がケイゴを迎えに来たり、必死に話しかけながら帰ったりしてたのは知ってる。でも、正直一方的な感じで、付き合ってる様には見えなかったかな。」


「…。」


「何?安心した?」


荒木がイタズラな顔をする。


「教育実習で高等部に行ってるでしょ。」


「はい、うちのクラスに来てます。」


「あー。それで不安になっちゃった?」


「…。」


「あいつもまだまだだなぁー。彼女を不安がらせるなんて。まぁーでもアレかぁ。真綾先輩と付き合ってたとしてあんな感じなら、今の過保護っぷりは幻に近いな。ミラちゃんはさぁ、何でケイゴがシャツと膝掛けしたか意味分かってる?」


「意味?体が冷えない様にですよね。」


荒木はわざとらしく「オーマイガー!」と叫ぶ。


「多少あると思うよ。女の子は体冷やさない方がいいし。でもそっちじゃ無いよ、多分。」


「何ですか?」


「肩とか足が出てるでしょ?俺の視線を遮るためだよ。」


「?」


まだ分からないといった顔のミラ。


荒木は可哀想な親友を思い遣った。


「見せなくないんだよ。他の男に肩とか足とか。座るとどうしてもスカートが上がったりするし。つまり、ヤキモチだよ。」


その言葉に、ミラは耳まで真っ赤になる。荒木は伝わったことに嬉しくなる。そしてミラの反応で両思いなのが分かり安心した。


(まぁ、ケイゴに好かれて嫌な女はまず居ないか。)


不意に外が騒がしくなる。ノックをして入って来たのはケイゴと…知らない男の人。


「荒木、紫苑も呼んだのか。」


「おー来たか!会いたがってたからな。ミラちゃん、こいつは紫苑。高校からの付き合い。紫苑、ミラちゃんだ。」


「華峯ミラです。ケイゴにはお世話になってます。」


「いや、お世話はしてるが、こいつに言う挨拶じゃないだろ。」


「はは。初めまして紫苑です。」


紫苑は自然にミラの手を取って、甲にキスする。

ケイゴは怒る様子がない。


「何で紫苑には怒らないんだよ!!」


荒木がすかさずツッコむ。


「紫苑はハーフだからな、挨拶だろ。お前のは下心。」


「嫌、オレも挨拶だからー!」


三人が楽しそうで、ミラは嬉しくなる。折角の集いだ。お邪魔する訳にはいかない。


「私、そろそろ帰ろうかな。」


「じゃぁ俺も。」


ケイゴが立ち上がろうとすると、ミラはそれを阻止する。


「折角集まったんだから、暫くゆっくりしなよ。私は一人で帰れるから。」


「ミラを一人に出来ないだろ。」


「でも、紫苑さんも今来て下さったんだよ。しかもケイゴの為に。」


「だとしても、ミラを一人で帰せない。」


「電車で帰れるから。」


言い合っていると、紫苑が発言する。


「じゃぁ、一旦ミラちゃんを送って、嫌じゃ無ければ戻ってくる?」


「それ、ナイスアイディアですね!!」


「勝手に決めるな❗️戻って来ないからな。」



***


ミラを送った後、ケイゴは男子会で今夜はお泊まりをした。

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