遅れた時間を取り戻せ8
突然ナオの家に来たミラ。
「どうしたの、ミラ?」
「あ、あのね、、、わ、私、、、」
ミラは今にも泣きそうな顔をしている。
「私、浮気をしちゃったの!」
「えっ!!!浮気!?何で?」
「…。」
ミラは俯き喋らない。様子を伺うとポツポツと涙が落ちるのが見えた。
(ミラが浮気なんて…。一体どうして…。取り敢えずケイゴ先生に連絡…は嫌かもだけど、した方がいいよね…?)
ナオが1人で悩んでいると、電話が鳴る。通知を見るとケイゴだ。
ナオはミラを気にしつつ電話に出る。
『はい、松本です。』
『亜月です。そちらにミラは居ますか?』
『はい、来てます。何かあったんですか?』
ナオは小声で聞く。
『それが、こちらもよく分からなくて…。』
困惑した声だ。
『ミラは浮気をしたって言ってます。』
『浮気!?』
電話越しのケイゴの声が驚きと戸惑いに変わる。
『はい、そう言って泣いてます。』
『すぐ迎えに行きます!』
言うが早いか電話を切った瞬間、ケイゴははじかれた様に家を飛び出した。
「ケイゴ先生が迎えに来てくれるって。」
「…合わせる顔がない。」
「…でも話をした方が良いよ。ミラは理由なくそんな事する子じゃないって分かってるから、きっとケイゴ先生も分かってるくれるよ。」
ナオは諭すように言う。
「…うん。」
ケイゴが来るまでミラは泣き続けた。




