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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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遅れた時間を取り戻せ7


「ハナミネさん、こちらへ来て下さい。」


木原は授業後にミラに声をかける。ミラは不思議そうな顔だ。連れてこられたのは応接室だろうか、ソファとテーブルがあるだけの簡素な部屋。だがそのまま部屋を通り反対側の扉を開けた。


「ちょっとだけ付き合ってほしいんだけど。」


そう言って振り返る木原。爽やかな笑顔だ。


「えっ…あの…。」


「大丈夫。」


そう言ってフッと微笑む。ミラの肩を抱き外へと誘う。


「あ、あの…。」


「フフ。恥ずかしがり屋さんだなぁー。」


外へ出て車に乗せられる。


「どこに行くんですか…?」


ミラは恐る恐る聞く。


「ミラちゃん、よく知らない男の車に乗るのは、とても危険な行為だからやめた方が良いよ。」


運転しながらそう言う木原は、全くミラを見ない。


「俺だから良かったものの、今後は気をつけないとね。」


「は、はい…。」


「そんなに警戒しなくても大丈夫。言ったでしょ?僕以外は信用しないでって。僕の事は信用して大丈夫だから。」


「…じゃぁどこへ行くのか教えて下さい。」


ミラは依然硬い口調だ。


「着いてからのお楽しみ!」


暫く走ると、見知った通りに出て来た。


「ここだよ!」


着いた先はカフェ ciel RoZe。


「ここ、大好きなお店なんです!!」


「そっか!良かった!最近も来た?」


「いえ、久しぶりです。」


「新作が出てるから、一緒に食べたくて連れて来たんだ!」


何か変な空気を感じていたミラは拍子抜けする。


「私、変に緊張しちゃってて、すみませんでした!」


「いいよ。予約してるから入ろう。」


優しく扉を開けてエスコートしてくれる。


そのごく自然な所作がとてもスマート。育ちの良さを感じさせた。


「いらっしゃいませ、木原様お待ちしておりました。」


そう言いながらミラの顔を見た店長は、一瞬驚いた顔をする。しかし特に何も言わず、「お連れ様もようこそお越しくださいました。」と笑顔で対応してくれる。


「こちらが新作のケーキでございます。ごゆっくりお過ごしくださいませ。」


「うわー!かわいい❤︎」


目の前にはフランボワーズのムースが置かれる。ハートの形の上には、イチゴがのり更にチョコレートで作られたパンダが寝そべっている。


「この動物は、いろいろ変える事が出来るんだって。」


「そうなんですね!!」


「さぁ食べよっか。」


「はい!いただきます!」


一口食べてミラはミラを輝かせた。

(う〜ん。美味しすぎるぅ〜!やば〜い!)


本来はもっとお淑やかに食べなければならないが、ミラは大口でパクパク食べる。その様子に木原は少し驚いたものの嬉しそうにミラを見つめる。


因みにミラも公式の場では粛々と食べるが、家でも外でもプライベートではこんな感じだ。ケイゴも公式で無い限りは特に注意しない。もちろん、デート中に指摘された事も一度も無い。


「パンダカワイイ❤︎大好きなんです、パンダのキャラクター!」


「そっか!良かったね!」

(本当はリサーチしたから、知ってるんだけど。)


ミラがカフェ ciel RoZeの常連で、最近は海外にいた関係で来ていない事や、ベリーのムースが好きな事も調査済みだ。


(もう少しで落とせるかなぁ?)


「ねぇ、この後時間ある?」


「…あの、コレは何ですか?」


「コレって?」


「何でここに連れて来てくれたのかと思って…。」


「あぁ!デートだよ、もちろん。」


そう爽やかな笑顔で言い切る。


「で、デートなんですか!?いつの間に?」


「やだなぁー。ずっとだよ。強いて言うなら塾を出た瞬間からかな?」


「これデートだったんだ…。」


ミラは呟きながら逡巡している。


「じゃぁこの後は…?」


「もちろんデートだよ!」


「あのー、私付き合ってる人がいるんです。その人の事が大好きで────」


そう言いかけた時、ミラの唇に木原の指が触れる。


「しーだよ!」


そのイタズラっぽい笑みに、不覚にもドキドキしてしまった。真っ赤になってしまったミラは、席を立ち駆け出す。急いでお店から出てタクシーを拾う。


その様子を茫然と見ていた木原は、ハッと気付きハハハと乾いた声で笑う。


「逃げられた。流石KAHO家のお姫様。」



ミラはタクシーを降りると、ナオの家に駆け込む。


「ミラ様?ようこそお越しくださいました。お嬢様に確認してまいりますので、暫くお待ち下さい。」


家政婦は急に来たミラに驚きながらも冷静にそう伝えた。少しして驚いた様子のナオが迎えてくれる。


「どうしたの、ミラ?」


「あ、あのね、、、わ、私、、、」

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