雨降って地固まったらすることはなーんだ?
この後どうする?の回です。
「お世話になりました。」
すっかり仲が戻ったミラとケイゴは、結城とライナにお礼を言って、帰り道を歩いている。
「ねぇミラ、俺ら明日まで帰らない予定になってるよな。ならさ…今日は一緒にいて欲しい。」
(それって…いや。ちょっと待って。心の準備が!)
ミラは紅くなりドタバタしている。
「そうと決まれば、デートしよ!」
爽やかな笑顔がそこにはあり、ケイゴは迷いなくミラの手を取った。
「こんなところ見られたら、謹慎になっちゃうよ!」
「大丈夫!今のミラはミラっぽくないから。」
ケイゴはミラを車に乗せて、あるところに向かった。
***
そこはまだオープンしていないバーの様な外観だ。そこに躊躇いもなく入っていく。
「ようこそお越しくださいました。」
「荒木いる?」
「荒木ですか?生憎予定が詰まっておりまして…。」
そこに荒木が現れる。
「ケイゴ?おー久しぶり‼️こっちの子は?まさか彼女?」
「あぁ。」
「へー!ケイゴが彼女を連れて来てくれるなんて。てか彼女若いねー。犯罪臭がする。」
「うるさい。」
荒木は、イタズラっぽい顔をする。イケメンだがケイゴと違ってフレンドリーな雰囲気である。
(話しやすそうな人!)
「こんにちは。華峯ミラです。」
「女性に先名乗らせるなんて、紳士の名折れ!荒木美琴です。ケイゴとは、高校からの付き合いなんだ。宜しくね。」
荒木は片膝を付くとミラの手の甲にキスをする。それを見たケイゴは、荒木のヘッドにチョップを落とす。
「おい、人の女にちょっかい掛けんな。触るな!喋るな!そしてミラ!」
荒木を追い詰めていたケイゴが急に振り返り、ミラはビックリする。
「え?な、何?」
ケイゴはゆっくりとした低い声で、今度はミラを追い詰める。
「貴方、今紅くなりましたねー。そんなに荒木とのキスが良かったですか?」
獲物を狙う鷹の目だ。ミラは苦笑いしながら後退る。後ろにあったソファーに引っかかり倒れ込んでしまう。これ幸いと、ケイゴが上に覆い被さる。そしてミラを両腕に閉じ込める。
「だって、膝をついてキスなんて初めてされて…。」
「ふーん。イケナイお嬢様ですねー。挨拶くらいでエッチな顔になって。はぁ。しつけが必要な様だ。でも先に消毒しましょう。」
ケイゴは手を取ってさっきキスされたところにキスをする。人前なこともあり、ミラは更に紅くなりあたふたとしている。そこへ荒木が声を掛ける。
「ちょっとー。人の店で何やってんのー。そんな店じゃ無いからー。」
体を離したケイゴは、一瞥した。
「まだ居たのか。」
「いるでしょ!俺の店でしょー!」
本当にケイゴと仲良しみたいでミラは嬉しくなる。今までケイゴの友達には会ったことが無かったし、見た事のない一面も見られたからだ。
「荒木さん、これからもケイゴをよろしくお願いします!」
ミラはキラキラの笑顔で伝える。




