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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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ケイゴの本当〜過去編〜

誤字を修正しました。

『ウフフ!ケイゴ君ってエッチなんだから。』


『君のせいだ。君がこんなにかわいく誘惑してくるから。』


今日もケイゴは女とベッドを共にする。様々な情報を聞き出す為に。KAHO家の中で、ハニートラップで情報を取っているのは、多分ケイゴだけだろう。別に指示された訳では無い。この方が手っ取り早い事を、経験から知っただけだ。


自分の顔は商品になる。ミラを護るために鍛えたに過ぎない身体も、女が好むものだった。ミラの為に存在しているなら、こんな使い方もミラの為だと、好きでも無い女とただ枕を交わす。




***



「あっ!ケイゴおかえり!」


ケイゴが浴室に向かっていると、ミラが笑顔で走ってくる。


「お嬢、起きてたんですか?もう遅いですよ?」


「勉強してたの!テスト勉強頑張ってるんだから、いいでしょ?勉強してるのに注意されるのおかしいよ!いつもは勉強しろって言うくせに。」


「…それ、他の人にも言ったんですか?」


「言ったよ!だって勉強してるのに寝ろ寝ろ言うんだもん。」


「今2時ですよ。学校があるんだから、寝ないと体調を崩します。」


「今帰ってきたケイゴに言われたく無い。」


「確かに説得力はありませんが(苦笑)」


ケイゴからいつもと違う香りがする。


「…女の人のところに行ってたの?」


「…。好きな(ひと)がいるんです。」


「…好きな人の為なら何でもやっちゃうって、本当なんだね。」


「そうですね。俺は特にそうかもしれません。」


(貴方の為なら、どんな嫌な事だってしますよ。)


ミラが悲しそうな顔で見つめる。ケイゴには特定の女性がいるらしい。しばしば夜遅くに帰って来るからそれは知っていた。仕事も忙しいケイゴが、睡眠時間を削ってでも会いに行く女性がいる。それは愛の行為だと、中学生になったミラはもう知っている。この事は知らされたのではなく、何となく気づいたのだ。


「私もいつか、好きな人の為に同じ事(睡眠時間を削ってでも会いに行く)するのかな。」


「貴方()心から愛し合った方と恋をしていくのではないでしょうか。」


「…私の好きな人が私を愛してくれる事はきっと無いと思う…。それに私は家の為に利益のある人と結婚する事を望まれてるし。でもケイゴは好きな人と結婚できる!例えそれが家の不利益になったとしても、次期当主である私が味方だから。だから、その気持ちを貫いていいんだよ!」


「何を言ってるんですか。お嬢が望まない人との結婚なんて親分が許すはずありません。だから、お嬢こそ好きな気持ちを貫いて良いんですよ!?」


「…うん。ありがとう。」


(ケイゴを夢中にさせてる恋人はどんな人だろう…。ケイゴが私を受け入れてくれる事は、きっと一生ない。)


「早く寝て下さい。顔色が悪くなってきましたよ!」


ケイゴがミラの背を押して部屋へ向かわせようとすると、ミラがケイゴに抱きつく。


「ケイゴにはいつだって感謝してる。だから、どんな人と結婚しても、応援するから連れてきてね。」


ミラは今にも泣きそうな顔をしながら、精一杯笑顔を作る。


「お嬢…」


「なんか眠たくなってきた!もう寝るね!」



ミラは顔を見られない様に早口に言うと、部屋への階段を駆け上っていく。


(これ以上ケイゴと話してると辛くなりそう。)


「ケイゴ帰ったのか。」


奥の方から親分が歩いてくる。


「親分。ただいま戻りました。」


「…報告は起きてからで良い。取り敢えず寝ろ。学校があるだろ。」


「はい。」


ケイゴが階段を登り始めると、後ろから声を掛けられる。


「自分を大切にしろよケイゴ。」


ケイゴは足を止めて振り向く。


「俺ができる事をやっているまでです。」


「お前は充分やってくれてる。」


「はい…。」

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