美味しい食事の後のお酒の味わい
《えぇ、ありがとうございます。間に合いました。》
《深夜にまで悪かったな。》
《いえ、人員を2人も回して頂いていますので、休めてますし。俺よりもトラさんこそ休んで下さいね。》
《ああ、そうする。お休み。》
《はい、お休みなさい。》
***翌日
ドドドドドドド!物凄い足音が聞こえてくる。
ドンドンドンドンドン!!!!!
そしてミラの部屋をけたたましくノックする音。、いや、ノックというよりも破ろうとせんばかりの激しい音だ。
『カホウミラ!お前を拘束する!』
そう叫びながら部屋のドアが開けられる。ミラはベッドの上でビックリしながらその声の主を見、慌てて立ちあがろうとする。
『動くな!両手を頭の裏で組んで、そのまま伏せろ!捕えるんだ!』
命令に取り敢えず従うミラ。それを囲む兵士達。
『何事ですか!』
ケイゴが慌てて入って来て兵士に声をかける。
『カホウミラ様は王の客人だ。分かっているのか。』
『知ったことか。客人だろうと、王妃様に毒を盛った輩に払う敬意などありません!』
『毒!?』
『王妃様が体調を崩された。飲み物から微量の毒物が検出されている!王妃様の侍女が、この女が王妃様の部屋付近にいた事を証言した。よってカホウミラを投獄せよとの命令が出されている!』
『彼女が毒を盛った証拠でもあるんですか?』
『現在調査中だ!すぐに出るだろう。連れていけ!』
ミラを無理やり立たせて引っ張って行く。
ミラは寝起きの働かない頭のまま引っ張られていく。一方ケイゴはその後ろ姿を見てすぐに王妃へ会いに行く。
『王妃様にお目通り願えますか?』
『この様な早朝から…。王子と言えど、無礼はお慎み下さい。』
『良いわよ。』
『王妃様!』
『王様の弟ですよ。躊躇せず部屋へ入れなさい。』
『はい、かしこまりました。』
『失礼致します王妃様、おはようございます。』
手の甲へキスをする。
『ケイゴさん。おはようございます。』
王妃は笑顔で答える。
『そうだわ!せっかく来たんだし、朝食を一緒に食べましょ!』
『…お加減はいかがですか?』
『聞いたのね。昨日あの後、お風呂後にワインを飲んでいたの。どうやらそれに毒が入っていたみたいね。いつもより酔いが早くて気持ち悪くなって変だと思ったの。そしたら毒だなんて…。』
『…。どうしてミラだと?』
『…。私も驚いてるわ。まさか一国の王妃を狙うなんて…。私の部屋の周りを挙動不審に歩いていたところを、メイドが見ていたのよ。ねぇ、ケイゴさん。あの子から離れた方が良いわ。貴方は王弟なのよ?今よりもっと良い生活が出来るんだから!ね?』
ケイゴは王妃を無言で見下ろす。
『俺はミラの無実を信じています。』
『…そう。なら仕方ないわね。そんなにミラを助けたいなら、私に忠誠を誓いなさい。そうしたらすぐに釈放してあげる。その代わり、二度とミラとは会えないけどね。』
『…何をしたら良いんですか?』
『そうねぇ…。』
王妃は艶かしい目をしてケイゴの首に腕を回し、唇にキスをする。ケイゴもそれを受け入れ、だんだん濃厚な口付けへと変えていく。角度を変えて何回も唇を求め、口の中を弄ぶ。王妃はたまらなくなり、足から力が抜ける。ケイゴは腰をガッツリ抱き抱え、更に続ける。
『ん…んぁ……ぁは…』
暫くしてケイゴが唇を離すと、王妃はその場にへたり込む。周りの従者やメイドは心配な面持ちでこちらを見ている。
『…は、凄いわ。こんなに激しいキスは初めてよ!ケイゴさんはこんなに私を求めてたのね。それとも溜まってたのかしら?どっちでも嬉しいわ。ねぇ、次はどんな事で私を楽しませてくれるの?』
『…その前に、ミラの解放をお願いします。』
『…そんな言い方じゃあ聞けないわ。もっと私に忠誠心を見せてくれてからじゃ無いと。』
王妃は誘惑する様に自身の胸元のリボンを解く。サラッとした薄衣が足元まで落ちると、ただの下着姿の女となる。
ケイゴはその様をただ見る。そして手を引いてベッドへと誘う。
(仕方ない…………ミラ、助けて…。俺は…本当は…。)




