かぼちゃ祭り7
ミラが九条にメイクをしてもらっている間、ケイゴはお昼ご飯の買い出しにきていた。
(やってしまった…。もうお昼過ぎてらしまった…。)
時刻は13時。マッチョコンテストの会場で令嬢を救護している間に時間が経ってしまっていた。
(親分に怒られる…。)
ケイゴはそんな事を考えながら適当にミラの好きなお寿司やローストビーフなどを見繕い、ゼミルームへ届けてもらう様に手配する。急いで部屋へ戻ろうとした時、結城から声を掛けられる。
「おう!ケイゴ。」
「結城先輩、さっきはありがとうございました。」
「いや、いいよ。それより今から昼ごはん?」
「そうですが?」
「俺もなんだよ!せっかくだから一緒に食べてやる。」
「結構です。」
「は?なんでだよ!」
「ミラと食べるんで。」
「お!ミラちゃんもいるの?俺も行くわ。」
「お断りします。」
「そう遠慮するな!」
「いや、だから断ってるんですけど。」
「まぁまぁ、ミラちゃんに伝言もあるし!」
「なら俺が伝えておきます。」
「何そう言うなって!ほら、早く行くぞ。どこだ?」
ケイゴは仕方なく結城を案内した。
「あっ!結城先生!」
「…えっ、ミラちゃん?」
「はい!」
「おー、一瞬分かんなかったぞ!凄く本格的だな!」
「ありがとうございます^_^」
「そうだ!さっきのミラちゃん凄かったね!救護班が褒めてたよ。よく過呼吸だって分かったね?」
結城先生はニコニコだ。
「たまたまですよ。」
そう、あれは過呼吸。昔からケイゴの近くにいるからよく遭遇してきた状態。ケイゴを見てあんな感じになった人がたくさんいた。目の前で倒れられた事もある。介抱していてケイゴを見て更に状態が悪くなった人もいた。
「俺では手伝えないので、結城先生がいてくれて良かったです。」
「なっ!俺だって熱狂的になられる事はあるぞ!」
「そうですか。」
ケイゴはしれっと受け流す。そこに来訪者が来る。
「お嬢、遅くなって申し訳ありません!ご飯が届きました。」
「わー!食べたかったお寿司だ!ローストビーフもあるー♪」
「本当はメイク前の方が良かったんですけど…。」
「多少ならすぐ直すから大丈夫よ、ケイゴ君。」
「「ありがとうございます!」」
***
「残念でしたね。」
「しようがないよ。だって優勝した子、凄く美人だったし。」
「あれは組織票でしょう。っていうか、お嬢が名前を出してれば、組織票が1番取れたと思いますけど?」
「それはどうかなぁ…。まぁ別にいいの。可愛いシスター服が着れたし。」
「…それなら、俺の為にメイクを変えてくれませんか?」
「?」
次回、イチャイチャお楽しみに!




