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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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かぼちゃ祭り6

「智代子!すごい逸材連れてきてくれてありがとう!」


「でしょ?すごいよね、この子の仮装!メイクエグいよね!」


仮装大会のエントリー会場に連れて来られたミラは、執行部の先輩に絶賛されている。


「これエントリーシートです。記入お願いします。」


ミラは名前を書くのを躊躇う。


「あ、あのー、匿名希望なんですけど…。」


「…そうなんだ。学年だけで大丈夫ですよ?」


「ありがとうございます。」


ミラは1年と書く。


「1年の子なんだぁ!ちょっと聞きますけど、実は大企業の社長令嬢とかじゃ無いですよね…?」


「あはは!全然違います^^寧ろ庶民出です。」


桜花学園は、親の上司の子供が後輩という事がよくあるので、後輩へも気が抜けないところがある。そういう事も考慮され、普段は他学年が会う事は無い様な造りになっている。だから行事の時はかなり注意が必要だ。


ミラの様に庶民出や、大企業の社長の子供達の様なしがらみが少ない組は稀である。


「でも…ざわざわ名前を隠すなんて…。」


「寧ろ庶民が出てる事で色々と思う人もいますので。」


「あー確かに。特に上位に入ると妬まれたりするからね…。そういう嫉妬とか妬みとかを減らしたくて生徒会に入ったのに、なかなか難しいね…。」


「何か…すいません。」


「ううん、いいの。こういう行事で少しでもたくさんの人達が交流して、新たな一面を見つけたり、お互いを認め合えたらって思ってるの。もっと頑張るわ…。」


「私は先輩方の考え間違ってないと思います。ステキです!」


「「ありがとう。」」


「エントリーはコレでOK!また15時にここに来てね!」


「はい、わかりました!」



***



校内を歩いていると、どうやらケイゴがマッチョコンテストに出ている様な事を耳にする。正直ケイゴがそれに出ているなんて信じ難い。


(あの影に徹したいケイゴがマッチョ大会に出るかなぁ…。)


疑わしいが一応マッチョコンテストの会場に行ってみる。


既に会場は物凄い熱気だ。お嬢様もご子息様も…。


(何か雰囲気が異空間(^◇^;)…。あっ!あそこにナオがいる…けど。何か…空気感がいつもと違う。)


皆んな目が血走っており、めっちゃ怖い。


壇上にはピンクビキニの半裸集団がいるが、その中にケイゴは居ない。


(ケイゴやっぱり出て無いな。あの噂はなんだったんだろ?)


ケイゴは全体の司会をして、表彰式の司会を会長へと交代した為、既に居なかった。1番ボルテージが上がる時に交代することろなんて、いかにもケイゴらしい。


「きゃー!カッコいい!!!きゃー…」


目の前でそう言ったお嬢様(体格の良い)が、突然静かになったかと思ったらミラの上に倒れてくる。ミラはビックリするがそのお嬢様(体格の丸い)は足から力が抜けバランスを崩した様だ。


ミラは咄嗟にご令嬢を支えるが相手は体格がよい。ミラの倍も体重がありそうな人だ。


(どうしよう!支えきれない!)


不意にミラに掛かっていた令嬢の体が軽くなる。


「お嬢、大丈夫ですか?よく支えましたね。」


ケイゴだ。彼は優しく微笑みかける。ミラはハッとしてケイゴが支えてくれている令嬢の様子を見ると声を掛ける。


「吐いてーーー、吸って、吐いてーーー吸って────」


同じ声かけを続ける。その間にケイゴは結城に令嬢を支えるのを託し、救護要請する。


その様子をミラが視界の端に捉えれていると、ケイゴと目が合う。黙礼したケイゴはその場から離れた。


令嬢の呼吸が落ち着いてきた頃、救護班は到着し、後を任せることにした。



***


「ケイゴ!」


「お嬢、お疲れ様でし…。こわ!」


「えっ?あっ!そっかゾンビメイク!!」


「そ、それもそうですが…汗で凄い事になってます…。」


「?」


ミラはさっきの令嬢を汗だくになりながら介抱した。全身ぐっしょりだ。もちろん顔も例に漏れず…。そのためベースメイクはハゲでまだらに、目の下のクマメイクも濃くなって黒ずんで見える。


「…やばい?」


「そうですねぇ、人外を地で行く感じでしょうか?」


「…直したいけど…メイク道具持ってないな…。どうしよう…。」


「変な虫が寄らなくて俺はいいと思いますけど。」


「虫ってゾンビメイクに関係ある?この後コンテストに出るのに!」


「仮装大会に出るんですか?」


「うん、頼まれちゃって。」


「それなら寧ろ今の方が怖くていいかれませんよ?」


「いや、こんなハゲハゲじゃ無理でしょ…。」


「じゃぁ頼んでみます。」


「?誰に?」



***



ケイゴはミラを連れて大学部のあるゼミルームへ行く。そこには以前学園祭の時(学※園祭の準備1参照)に会った九条レナがいた。


「あれ?九条先輩!お久しぶりです!」


「こわ!!え!!ミラちゃん?」


「会えて嬉しいです!」


「ちょっとメイク道具貸してくれる?」


「かしこまりました。ミラちゃんどうぞ。」


そこにはコンパクトミラーといくつかお化粧道具が用意され、ミラを鏡の前に座らせてくれる。


「綺麗に治すわね。」


そう言ってテキパキとメイクを落とし再び顔を作り直してくれる。


「うん、怖い。そしてミラちゃんに見えない。本当にこんな感だったの?」


「そうです。コレで仮装大会にも出られます!ありがとうございました!」


九条のおかげで何とか元のかおに戻ることができたのだった。

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