かぼちゃ祭り5(かぼちゃ祭り3の続き)
目の前ではゆづきとそのマネージャーが言い合っている。
それを見ていたミラは不意に手を引かれる。
「えっ?」
ミラは転びそうになり引っ張られるままに足を動かすしかない。
「えっ?ちょ?あの!」
少し離れた所でその人は止まり振り返る。
「突然すみません!あの、私高等部、生徒会会計の赤城智代子と申します。高等部は仮装大会をしてて、それで貴方の仮装がすごく本格的だからぜひ大会に出て貰えないかと思って。」
「えっ?私友達と回る約束をしてまして。」
「大丈夫です!15時に来てくれれば!お願いします!毎回、皆んなとっても可愛いんだけど本格的な人があまりいなくて、コレを機にハロウィンをもう一度考えようという企画なんです!で、貴方のメイクがすごく怖くてこの子だ!って思ったんです!お願いします!!」
智代子は直角に頭を下げる。
「わ、分かりました(^^;;」
「本当ですか!ありがとうございます!取り敢えずエントリーしに会場に来て下さい!こっちですぅ!!」
ミラは再び手を引かれて会場へ走った。その片手間にナオへ行けそうに無いことを連絡しておいた。
***
一方ナオは、マッチョコンテストの会場へ来ていた。他のマッチョ好きのムッツリお嬢様方と興奮している。ボルテージはMAXだ。
「Ladies &Gentleman!マッチョコンテストへようこそお越しくださいました!司会は私、亜月ケイゴが務めさせていただきます。」
(あっ!ケイゴ先生だ!)
「ケイゴ先生かっこいい!!」
「ケイゴくーん!」
「うっそー!ケイゴ君司会なのぉー…ケイゴ君の裸が見れないなんて!」
思いはそれぞれである。結局ビキニパンツ問題でケイゴの出演は無くなったが、代替案として司会を普通の服で行う事となったのだ。
それにしても会場は恐ろしい程の熱気に包まれており、鼻息の荒いお嬢様方や、興奮状態の男どもで実にむさ苦し。執行部の目論見はよく当たっていた。
(アイディア自体は良かったな。)
司会をしつつケイゴは、出なくて良かったと胸を撫で下ろしていた。




