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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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見られてピンチ

インターンも終わり、夏休みも残り3日となった今日、ナオからメッセージが届く。


『ケイゴ先生が、美人と高級レストランに居るのを目撃しました。エスコートしてたみたいだけど、お身内?何と無く雰囲気が気になって…。』


「ケイゴが?仕事の取材かなぁ?」


ミラはケイゴの部屋にをノックする。


コンコンコン


しかし返事がない。リビングに降りてタミさんに声を掛ける。


「ねぇ、ケイゴどこか知ってる?」


「出掛けましたよ。」


「ふーん。」


基本的にケイゴが出かける時はミラに声を掛けてから行く。近日の予定も教えてくれる。しかし今回は全く知らない。タミさんもお出かけの内容を言わなかった。


(いつもはお買い物に出掛けました!とか絶対言ってくれるのに。私に知られたくない用事って何かしら。)


ミラの思案する顔を見てタミさんは内心焦る。


(お嬢様って、天然で一見ぽや〜んとしてるど、凄く鋭い時があるのよね。)


「分かったわ!ありがとう。」


ミラはそれ以上聞かない。


(全てを私に言えるものじゃないわよね。)


取り敢えずミラはナオに返信する。暫くして返事が来たと思ったら、珍しく美琴から『お店に来ない?新メニューを食べて欲しいんだ。』とのお誘いだった。ミラは『伺います!』と返事をして美琴のお店に向かった。




******



「こんにちは!」


「「こんにちは。」」


そこには美琴と紫苑もいた。


「来てもらって悪いね、ミラちゃん。」


「いえ、新メニューの試食が出来るなんて、嬉しいです!!」


「あ…。」


美琴は気まずそうに紫苑と顔を見合わせる。そして意を決した様にミラに告げる。


「あの、実は新メニューはウソなんだ。」


「えっ?」


「今日来てもらったのは、ケイゴの事なんだ。」


「ケイゴ…ですか?」


「そう。最近ケイゴとうまく行ってる?」


「はぁ、上手く行ってると思いますけど。」


キョトン顔のミラを見て、困った様に顔を見合わせる美琴と紫苑。


「…どうぞ仰ってください、荒木さん。」


「…先週からケイゴが女性と色んなところに行っているのを何人かが目撃してて…。」


「あ…。」


言葉の続きを紫苑が引き継ぐ。


「それが結構親密っぽいんだよ…。」


「親密…。」


「ケイゴに限って浮気するとは思えないけど…。」


「あぁ。ケイゴは昔からミラちゃんだけを見て来たから、浮気はしない。何か理由があると思う。ケイゴから何も聞いてないなら、今はその時期じゃないのかもしれないけど、話し合った方がいいと思って。」


「…。」


ミラは視線を落としてぼーっとしている。


「大丈夫?」


紫苑が肩に手を置き心配そうに顔を覗く。


「!!」


血の気が引いているミラに驚く。


「ミラちゃん、座ろうか。」


そう言ってミラを座らせようとした時、足から崩れて気を失ってしまったミラ。紫苑と美琴の「ミラちゃん!ミラちゃん!」と焦った声を聞きながらミラは意識を手放した。





******




『ミラさんの体調が悪くなってしまい、こちらでお休み頂いています。』


『お手数おかけして申し訳ありません。迎えに参りますので。』


『いえ、医者にも見てもらい暫くは安静にとの事でしたので、良ければ預からせて頂きたいです。』


『…そうですか。では宜しくお願いします。』


執事長同士が電話で話しミラはハリス家で休むことになった。


「只今戻りました。」


「ケイゴ君おかえりなさい。お嬢様が!」


「お嬢に何かあったんですか!?」


「荒木様のお店で倒れたそうよ!」


「は?荒木?何であいつの店に!」


「落ち着いて──」


「すぐ迎えに行きます!」


言うが早いか、話を聞かず飛び出して行くケイゴ。


「………(ハリス家に居るんだけど。こんなに話を聞かないケイゴ君は珍しい─お嬢様の時は余裕が無いか)。」




***


道中美琴に電話をするが出ない。


(お嬢の状態を聞きたいのにクソッ!)


イライラしながらお店に駆け込むケイゴ。


「美琴!」


「あぁ、ケイゴ。店だ。静かにしてくれ。営業妨害だ。」


「そんな事どうでもいい!ミラは!?」


「お前は良くても俺は困んだよ。兎に角VIPへ。」



***


「で?勝手にミラと会った理由は何だ!」


それは強い詰問口調だ。


「…先に最近のお前の行動を説明しろ。」


「はぁ?何の事だ。」


「ここ最近、お前が女性と親密そうにホテルやデートスポットに現れているのは知っている。浮気か?」


「はぁ?仕事だ。そんな事お前に関係無い。」


「確かに俺には関係ないけど、ミラちゃんはどうかな。」


「…ミラには見られない様に配慮している。」


「あぁ。確かにミラちゃんには見られてないな。」


「俺が女といるところをミラに伝えたと。」


「まぁ。知ってる風だったけど。」


「!!…知ってた…?」


「ハッキリとは言わなかったけど。多分あの反応は知ってたと思う。」


職業柄、人の顔色を伺うのは天才的な美琴が言うなら、それはそうなのだろう。


「ちゃんと2人で話せ。すれ違う前にな。」


「…あぁ。ミラはどこに?」


「ハリス家だ。」


「そうか。」


ケイゴは黙って立ち上がり暗い顔でハリス家へ向かった。

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