期末テストの結果は?
「っうっそ…。」
「何でこんな点なんですかねぇ?」
期末テストが終わり、続々と返却されている。午前で3教科返ってきた点数がスゴ過ぎて、学校なのにケイゴを呼び出してしまった。
そこは第二保健室と名付けられた秘密の部屋。ケイゴのみが自由に使うことを許されている部屋だ。以前使っていた進路指導準備室は、ミラが真綾に襲われた場所の為、学校側の配慮として他の部屋を当てがわれた経緯がある。
ローテーブルと座布団があるだけのその部屋で、ケイゴはミラの答案用紙を胡座で確認している。本来主人の前で胡座などあり得ないが、そこは幼馴染。ミラは特に気にしていない。ミラは上がりかまちの所で立ったまま嬉しそうに答案をわたしたのだが…。
「古典はともかく、数I・Aは…。」
「でも、点Pはやっつけたよ!」
「まぁ、そうですが…。俺が100点を目指して作ったレジュメが全く意味を持たなかったなんて…。」
ミラの答案用紙を握ってプルプルと震えている。
「いやいや、過去最高得点ですけど!?それに平均点50台だったんだよ!高校で90点台なんて、凄くない!?」
「…90後半取ってから言ってください。」
(優秀だとは思ってたけど、やっぱりケイゴは相当な頭だったんだな。)
「…。すみません。お邪魔しました。」
ミラはケイゴの反応に悲しくなり俯きながら踵を返す。
その反応に慌てたのはケイゴ。
(ヤバ!イジメすぎた。)
ミラを後ろから慌てて抱きしめる。
「すみません!冗談です!普段80点台のお嬢が10点も上がるなんて、十分凄いです!!」
しかしミラは顔を上げない。
「…でも100点目指したヤツだったんでしょ?」
「…テストは平均点を60点位に抑える様に作られています。だから簡単すぎても難しすぎてもいけない。それに、一部の秀才達に向けた特殊な問題があって、それで上の人達に順位を付ける人もいるんですが、その問題は俺でも予想が出来ません。その先生のフィーリングで出したりするんで。でも今回お嬢はそれが少し解けてるんですよ。これはスゴイ事だと思います。」
ミラはそれを聞きゆっくりと向きを変えた。ケイゴの両頬を両手で挟み自分の顔を近づけ、ちょっと怒り気味に言う。
「ほんとに?」
「ほ、ほんとです(^◇^;)」
ミラは尚もきケイゴの顔を挟んだままジト目で見ている。
(この整った顔が憎たらしい〜!)
ケイゴはミラの両手に手を添え、急に妖艶な顔になる。
「そんなに見つめてきて、キスのおねだりですか?学校だと言うのに大胆ですね。」
「や(//∇//)」
ミラは手を放そうとするがケイゴが両手を抑えて放さない。
「ちょ、ちょっとー(//∇//)」
そしてその手を自分の口元に持っていきチュッと音を立てる。ミラは真っ赤になって口をパクパクしてしまう。そして暫くケイゴに弄ばれて解放された時には、ケイゴに抱きすくめられ、ミラも抱きすがっていた。
「全く、こんなんじゃキス以上の事をしたらどうなっちゃうんですかねぇ。」
「キ、キス以上ー!」
ミラはケイゴの胸を押して離れようとするが、ケイゴはギュッとして放さない。
「仕方ないでしょ?お年頃ですから。」
「(//∇//)」
「前にも言いましたが、お嬢の心の準備が出来るまで、キス以上の事はしません。今はちゃんと意味が分かってて貰えるだけで嬉しく思います。取り敢えず、テストお疲れ様でした。」




