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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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ケイゴと喧嘩4

ケイゴに付き添われて家に帰って来た。そこは既に起きている家で、他の人達は皆んな朝のお勤めに出ている。タミさんも大勢の料理を1人で作っている。


ミラが手伝いに行こうとするが、ケイゴが必要ないと言った。ミラは諦めて客間のテーブルに座る。ケイゴが柚子ハチミツティーをミラに出しながら向かい側に座る。


「お嬢、二度と勝手に外出しないと誓ってくれますか。」


その言葉は疑問系やお願いではない。有無を言わさぬ命令に近い。


「はい。心配掛けてごめんなさい。」


「分かって下さったならいいんです。」


「…酷いことを言った件も反省してます。」


「はい。気にしていません。それより俺がやりすぎてしまった事は、すみませんでした。」


「ケイゴは本当に悪くないから謝らないで(゜o゜;;頭が冷えたら分かったの。私ね、ケイゴに甘えすぎてたの。このままじゃダメだと思う。」


「…どう言う意味ですか。」


「…少し距離を置かない?」


その言葉を聞いた瞬間から、ケイゴの眉間の皺が凄く深くなった。


「…婚約を破棄する、と言う意味ですか?」


ケイゴはあくまでも淡々としている。


(やっぱりケイゴは私との婚約はあまり乗り気では無かったのかも。)


「その方がケイゴも自由になれるよね。」


「…それは貴方が私から解放されたいと言う意味ですか?」


「…一度距離を置いて考えたいの。私の本当の気持ち。」


「…本当の気持ちとは、俺を好きかどうかと言う事ですか?」


ミラは俯いたまま黙っている。


「分かりました。俺は…暫く帰りません。」


ケイゴはスクっと立ち上がりミラを振り返らずに立ち去る。ミラは引き留める言葉が見つからず、立ち尽くすしか無かった。


(私のせいで有能なケイゴの居場所が…。)


その日からミラの本当の笑顔が影を潜めていった。




***



「ねぇミラ、ケイゴ先生と何かあった?」


「何かって?」


聞き返すと不快そうな顔をさせる。


「明らかに2人おかしいじゃない?」


「そうかな?」


「おかしいよ!2人が付き合ってるって聞いてから、ケイゴ先生を観察してたんだけど、必ずミラを視界に入れてるの。でも最近はそんな素振りが無い。ケンカでもした?」


「…距離を置いた。」


「………は!?な、何で?」


「私が甘えすぎてたから。こんな子供じゃ一緒に居る資格ない…。」


「子供って、6歳も離れてたら子供なのはしょうがないじゃん!私達まだ高校生だよ!」


「…。」


「ねぇ、このまま他の人と付き合っちゃったらどうするの?」


「…ケイゴがそうしたいなら…。」


「いいの?本当に?本当にそれで後悔しない?」


「…少し落ち着いて考えたいの…。」


キーコーンカーンコーーーン


「予鈴だね。戻ろっか。」


ミラはサッと荷物を片付けて部屋を出る。


「…そんな今にも泣き出しそうな顔してるくせに。」


そんなナオの呟きは、ミラには届かなかった。

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