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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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筋肉は裏切らない?2

「ナオコさん、決めました!僕は貴方と結婚します!喜んで下さい!!」


「…えっ!あの、困ります、こんな!」


ミラは福島を押し返すがびくともしない。さすがゴリマッチョだ。抵抗すればする程ギュッと抱きしめられ、苦しくなる。まるで大蛇の締め付け技だとミラは思う。


(大蛇に締め付けられた事どころか、本物のヘビさえ見た事ないけどね…。)


抵抗を止めると息をやっと少しすう事が出来た。ミラは思いっきり息を吸って発した。


「骨格筋が硬すぎるんです!抱かれごこちが悪い!放して!!」


それを聞いた途端、福島の力が緩む。


「………え。」


福島は目を点にしている。


「だから、骨格筋が硬いんだって!」


「こ、骨格筋…?」


「あなたのご自慢の大胸筋や上腕二頭筋、上腕三頭筋のことですよ!!!」


ミラはマジな顔で怒り、福島から距離を取る。


「こ、」


「だから骨格筋だってば!」


「そ、」


「硬すぎるんです!苦しいです!骨格筋が硬い人は嫌です!放して!」


ミラはプチパニックで福島の言葉を挟ませない。力一杯叫んで肩で息をする。p


暫く沈黙が流れる。遠慮がちに外から声を掛けてくる男性がいる。


「あのー、失礼します。お嬢様お迎えに上がりました…。」


それはとても困惑しているケイゴの声だった。その声を聞いて、ミラは福島から離れる。


「…け、ケイゴ…。」


ミラは気まずさを覚える。一方福島は、信じていた筋肉に裏切られボーゼンとしていたが、視線をケイゴへ移し驚く。


「え!あ、え?亜月ケイゴ?」


ケイゴは睨む。


「福島さん、貴方に呼び捨てされる筋合いは無いと思います。初対面ですよね。」


福島は気がついた様に慌て出し、ジャンピング土下座をする。


「も、も、も、申し訳ありません!大変失礼致しました、亜月様。」


ケイゴは一瞥しミラの肩に自分のジャケットを掛け帰宅を促そうとする。


「お、お待ち下さい!ナオコさんは私の婚約者です!」


「悪いがこの方は松本ナオコじゃ無い。」


福島はたっぷり3秒間をおいて応える。


「…え?」


「こちらの方はKAHOミラ様。松本ナオコは学友だ。」


「…そんな。」


「顔写真別人だろ?」


「…女性はメイクで変わるからそのせいかと。」


「会話だって噛み合わなかっただろ?」


「噛み合って…無かった?ですかね?」


「あなたずっとご自分のお話をされてたので。」


「…。でもずっとニコニコ話を聞いていたじゃいですか。」


「それはマナーですから。」


「…。」


「福島さんは、違和感を感じなかったのか?」


「もちろんありました。でも話してみて、こちらの方にもっと会いたいと思いました。」


「あの、騙す様なかたちになってしまい申し訳ありません。でもナオコはこのお見合いを受け入れられないそうです。」


「では貴方でいいです!僕は貴方と喋っていて気に入りました!女性の好きなマッチョですし、辛いものも一緒に食べられます!お化け屋敷だってお付き合いしますよ!女性は絶叫マシーンも好きですよね、僕も大好きですから一緒に乗れないビビりとは違います!!それからーーー」


ケイゴが更に何かを言おうとする福島を遮る。


「少し黙れ!さっきの話を聞いていなかったのか?こちらの方はKAHOグループのご令嬢、ミラお嬢様だ。婚約者もいる。それにお嬢様はマッチョは知らんが辛物もお化け屋敷も絶叫系も苦手なビビりなんだよ!あんたとちがってなぁ!女性が好きとか言うもの全部ダメなあんたの思う女性像とはかけ離れた人間なんだよ!」


ケイゴは珍しくイライラした様子で福島に詰め寄り、上から見下ろす。そんな彼にミラは慌ててケイゴの腕を引っ張る。


「ケイゴ!穏便に!女性像らしく無くてごめんね?(^◇^;)」


(私ディスられてる?)


「あ、えっとーお見合いの席を潰してしまったので、お詫びとしてここは私が払いますので、お暇させていただきます。」


ミラは呆けている福島に声を掛け、ケイゴを引っ張り退室する。





***




「お嬢。」


「ん?」


ケイゴは俯きながら問いかける。


「俺もお嬢を守る為に福島程ではありませんが鍛えています。抱かれごごち、、悪かったですか…?」


ミラはうーん?と考えると、いきなりケイゴに抱きつく。そんなミラの行動にケイゴはビックリする。


「50点。」


「ゔ。」


「こうして私だけだ抱きつくと50点。」


ミラはケイゴの手を持って自分の背中に回す。


「でもいつもみたいに、こうして宝物みたいにそっと優しく抱きしめてくれると200点!」


ケイゴを見上げて微笑むミラ。


「ケイゴはね、いつも私を心配してくれるし、安心させてくれる。そういう気持ちが伝わって来る様に抱きしめてくれるところが好き。ケイゴの匂いも好き。それに…ケイゴに抱きしめられると、恥かしくて骨格筋を感じてる余裕無いし、幸せって気持ちが先に来て…。抱かれごごち最高です!!もっと抱いて?」


「…お、お嬢、意味が違って聞こえますから、おやめ下さい(^◇^;)」


「え?」

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