夜会5
今日は少なめです。
「お前、何してる。」
お嬢様を外に出して、ケイゴが恐ろしい形相で睨んでくる。さっきが半端ない。ジークは何も言わない。
「お前はA国の執務官だな。」
ジークは慎重に答える。王様の計画を悟られない様に。
「はい、左様でございます。」
「何故ミラと接触した?」
「ケイゴ様の身近な方ですから、挨拶をさせて頂いておりました。」
サーっと更に室温か下がったような空気がながれる。
「ほー、お前の挨拶は口にキスをしたり頬を撫でる事なのか。」
ケイゴは液体窒素並みの眼で睨む。
「あの方はKAHO家のお嬢様だ。KAHO家は裏社会に繋がりもある。…この意味、分かるよな?」
この男はヤバイ、直感がそう告げる。ジークの全身はカタカタと震え出す。
「も、申し訳ありませんでした!!!何でもしますので許してください!」
「…何でもする、か。簡単にそう言う人間は信用しないが…特別に信用してやろう。お前は誰の指示で動いている?」
「…お、王様です」
「任務はなんだ。」
「…。」
「サクサク答えろ。時間の無駄だ。」
「貴方からKAHOのお嬢様を遠ざける事です。」
「それで?」
「未練無くこの国を立っていただこうと。」
「ふーん。」
「ケイゴ様はお嬢様を危険に晒したくはないでしょ?それなら、早く別れてA国へ行きましょう!」
「…暗殺者か。」
「はい、あれは王の手のものです。ケイゴ様を手に入れるために、お嬢様を…暗殺しようとしました。」
ケイゴの纏う空気が再び濃い殺気になり、ジークは慌てる。
「も、もちろん最初に王との面会時に中止の旨が伝えられております!!」
「ふん。女が実行しようとしていた事を見ると、連絡系統がしっかりしていない。そういう組織は信用ならない。」
「あー!アレは直属では無くですねー!」
既にケイゴは興味を失っている。と言うか、最初から興味が無い。
「暗殺者の件は既に捕まえているし、今回は被害が無かったからな。まぁいい。ただ、今後は許さない。」
「…。」
「お前、二重スパイができるか?」
「に、二重スパイですか!?」
「分かった、無理だな。」
「いえ、いえ、いえ!できます!!やらせてください。」
「ではテストしよう。このまま帰って王に伝えろ。上手くミラに取り入ったとな。」
「はい、かしこまりました。」
ジークは何も無かった様に王の下へ戻り、ケイゴに言われた様に報告した。
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