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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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夜会2

「お嬢、行きますよ。」


仏頂面でも取り敢えずは手を差し出してエスコートしてくれようとするケイゴ。ミラは手を出そうとするが、一瞬躊躇する。その瞬間扉がノックされる。


タミさんが迎え入れると紫苑さんだ。


「ミラちゃん、そろそろ時間だよ。」


ケイゴの手を取ろうか悩んでいる手を見た紫苑は、優しく微笑む。


「ケイゴの手を取るのが嫌なら、僕がエスコートしようか?」


言うが早いか、ケイゴはミラの手を掴んで引っ張って行く。その様に紫苑はクスクス笑う。それをひと睨みしズカズカ歩くケイゴ。ミラは慌てて着いていく。


「ケイゴ、ごめんね。私といるのイヤだよね…。」


「…違います。嫉妬しただけです。」


「っえ!?嫉妬?ケイゴが?誰に???」


ケイゴはジト目で見てから視線を外す。


「…言わせないで下さい。ミラにはよく見せたいんです。…朝はすみませんでした…。」


「私こそごめんなさい。注意しろって言われてたのに…。」


「いえ。でも外出する時はちゃんと俺に言って下さい。…俺に守らせて下さい。他のヤツに任せたく無いんです。」


「はい。」


ミラは紅くなる。後ろから着いてくる紫苑は眩しそうに2人を見ている。


(いいなぁ。僕にもミラちゃん以上に好きになれる子ができるんだろうか…。)



会場へ到着する。主催者である紫苑が入場すると、拍手に包まれる。この夜会は昨夜とは違い、内うちのもので、パートナーは同伴しなくても良いため、紫苑はフリーだ。瞬く間にお嬢様方に囲まれている。


ケイゴもパートナーは居るが挨拶周りの紳士方に囲まれてたじろぎ逸れてしまう。


(デジャブー!)


人の波に押されて人にぶつかってしまうミラ。


「すみません!」


ふと顔を上げると


「あれ?ミラ?」


「翔くん!紫苑様と仲良しなの?」


「え?いや、俺は仕事として来たんだ。」


「?仕事?」


「レンタルはパーティーのパートナーを務めることもあるんだ。男はそうでも無いけど、やっぱり女性はひとりって訳にも行かないだろ?」


「…私は1人でとこでも行くけど。」


「ハハ!お嬢様はそうはいかないんだよ。」


「へー。そんなんだぁ!」


「ミラも誰かと来たんだろ?ってか、ハリス様と知り合いなの?」


「うん。紫苑様と共通の知り合いっていうか、その人の友達が紫苑様だったんだぁ。」


「そうなんだ。ミラにもお金持ちの知り合いがいたなんて知らなかったな。」


「そうだね。最近(?)社交界に連れてってもらうようになって。」


「…そういうヤツと付き合ってるってこと?」


「うーん、社会勉強みたいな感じ!」


「へー。それにしては良いドレスとアクセだね。」


「なんか用意してくれてて。」


「へー。結構好かれてんじゃん。」


「そうなの?」


「そうなの?って…相手の人が可哀想。もしかして年上?」


(社会勉強させる為に、こんないいドレスとアクセサリーをシレっと用意するなんて、金持ちの親父か?)


「よく分かったね!」


「こんなものを社会勉強でプレゼントできるなんて、相当な金持ちだな。」


「あーそうかも。お店経営してるし。」


「へー。そんな事より、何で連絡くれないの?俺待ってたのに。」


「あーごめん。ちょっと忙しくて…。」


「そっか。なら俺に連絡先教えてくれる?」


「うん。いいよ!」


「じゃぁ、あっちで。」


手を引かれて休憩室に行こうとすると、反対の手を後ろから掴まれる。


「ミラ、何処に行くつもりですか?」


ケイゴはミラでは無く後ろの男に視線をやっている。その眼は明らかに怒気を含んでいる。


「亜月様!え!ミラ、亜月様と知り合いなの?」


「ミラ(-᷅_-᷄๑)?」


翔真がミラを呼び捨てで呼んだ事に苛立って聞き返すケイゴ。


「君は佐久間家の3男の…?」


「亜月様の様な方に知って頂いているなんて、光栄です!あまり仲が良く無いのに。」


「対立派閥の把握も仕事の内ですので。それよりお嬢様の手を放して頂けますか?」


「あ、はい。えーと、ミラとはどう言ったお知り合いなんですか?」


「ミラ?(-᷅_-᷄๑)」


また不機嫌に聞き返す。翔真は慌てて言い直す。


「ミラさんとはどういったお知り合いですか?」


「お仕えしているお嬢様です。」


「………?あー!ミラさんがKAHOのお嬢様の知り合いなんですね。」


「違います。KAHOのお嬢様がミラ様です。私はミラお嬢様に仕えています。」


「………。」


翔真は固まっている。


「…え…?ミラが?KAHOのお嬢様…?」


「ミラ?-᷅_-᷄๑)」


ケイゴがまた呼び捨てにら苛立って聞き返す。


「あっ!ミラ様です!!」


「ケイゴ、翔くんは私の事を知らないんだから、怒らないで。」


「コイツですか?お嬢にレンタル彼氏を勧めた不届者は。」


ケイゴは不穏な空気だ。


「えっ!あ!勧めた訳ではありません!ただ久しぶりだったので名刺をお渡ししただけでして!」


焦って言い訳する翔真。


「お嬢様には、未発表ですが正式な婚約者がおりますので、近づかないでいただきたいです。」


殺気が漂っているケイゴを見て、ここは退散した方が良いと感じた翔真は、「そろそろパートナーが戻ってくるので」と逃げながら告げて消えていった。


「正式な婚約者って…。」


「もちろん俺の事ですが何か?」


「わ、分かってるよ!そうじゃなくて、言って良かったのかなって。」


「どの道俺が卒業したら発表されるんです。問題ありません。」


「そっか。」

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