パーティー当日6
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「ウソ…そんな…そんな…。」
ミラはその唯ならぬ様子に声を掛ける。
「どうかされましたか?」
「…あ、…あ、あぁ…。」
女性から言葉にならない声が漏れる。そんな狼狽えた様子に困惑する皆。しかし1番オロオロしているのは明だ。ミラは明を気遣って声を掛ける。
「あの、とりあえず場所を移しましょう。明君が私の知り合いを見つけてくれたお礼をしたいの!」
ミラの声は努めて明るい。チラッとケイゴを見るが、何を考えているか分からない。心なしか動揺している様に見える。
ミラはケイゴにさり気なく近づき周囲にバレないように耳打ちする。
「ーーーーーーーー。」
ケイゴはその言葉に複雑な表現をした。
***
先程いた控室に出戻ってきた主人達に驚きつつ、お茶の用意をしてくれる使用人達。ミラは明と別室で遊んでいる。紫苑達もそうしようとしたが、ケイゴに呼び止められ同室を強要される。
「それで、まず貴方のお名前を伺えますか?」
「…森嶋カナミと言います。夫が外交官をしております関係で、本日はご招待頂きました。」
「つまりウチとの繋がりと言う事ですね。」
紫苑が返す。
「…はい。」
「失礼ですが、森嶋さまと言う名前に心当たりがありません。どちらの外交の方でしょうか。」
「エルーナと申せばお分かりになるでしょうか。」
「あー。エルーナ・トーマ殿の奥様でいらっしゃいますか。確か日本人と結婚されていると聞いたことがあります。」
「左様でございます。」
暫く焦ったい会話が続くかと思ったが、紫苑はすぐに核心に迫る質問をする。
「そうですか。なぜケイゴを見て動揺されたのですか?」
「…。」
「貴方には答える義務があるのでは?このままでは、明君はケイゴの隠し子と噂されかねません。どんなに世界中に広まったとしても、耳に入れたくない方がいるんですよ。」
森嶋は観念したように話し始める。
「他言無用願います。」
「事と次第によるな。」
ケイゴが冷たく言い放つ。
「…。トーマ家は遠い親戚筋に当たるのですが、両親が親しかったことから、昔から仲良くしていました。夫には年の離れた姉がおり、私も本当の姉の様に慕っておりました。その姉がある日泣きながら帰って来ました。でも、どんなに問い詰めても何があったか話してはくれませんでした。何があったか分かったのは、何ヶ月も経ってからでした。姉が妊娠していたんです。」
ケイゴ達は口を結んで聞いている。
「「「………。」」」
「お腹の父親は誰なのか、姉は口を割りませんでした。しかし明かせない人との子供を当時の当主は認めず、姉を勘当してしまったんです。姉は姿を消し、ひっそりと出産したと噂で聞きましたが、その子は死産だったそうです。当時幼かった私にはどうしようもありませんでしたが、とても可哀想に思いました。それから何年も経ったある日、姉が私に会いに来てくれたんです。それが7年前の事です。姉は小さな男の子を連れていました。また子供を産んでいたんです。でもその時、姉はガンに侵されていて、余命いくばくもない状態でした。姉は地位も名誉もお金も失い、命までも失ってしまいそうでした。だから私が夫と結婚してあの子を引き取ったんです。」
「…それで私を見て驚いていらした理由は何ですか?」
「………姉は、忌の際に明の父親の名前を明かしました。それがある国の公爵家の当時の当主でした。その方と20年近くも公に出来ない深い交流があったんです。」
「それが私の父親だと?」
「分かりません。ただ、姉が持っていた亡き公爵のその写真に、生き写しなんです。勿論明もですが。」
「…その公爵とは?」
「…A国の前アイゼンハワード公爵です。」
その瞬間、美琴も紫苑もケイゴも固まる。アイゼンハワードと言うのは、A国の王族の筋だ。
「もしケイゴがアイゼンハワード家の人間だとしたら…。」
「あぁ、そうだね。KAHO家には居られないかもしれない。」
美琴の言葉を紫苑が引き継ぎ、さらに森嶋が引き継ぐ。
「はい。友好国ではなく、両国の関係はピリピリしていますからね。本当にそうだとしたら私も明を…姉の忘形見を手放さなければならない…。」
ケイゴは自分の首に下げている指輪を握り、何かを考える様に黙っている。
「…ケイゴ?」
美琴が顔を覗く。
「…例えアイゼンハワードだとしても、今の俺は亜月ケイゴだ。それは覆らない。それに今更どうしようと言う事もないだろう。」
「……暗殺される可能性はあるんじゃ。」
「あーその方が手っ取り早いしな。だが態々この国まで来るとは思えない。不確かな話だからな。」
「まぁ、そうだね。でも一応目は光らせておくよ。」
「あぁ、頼む。ミラに危害が加わらないように。」
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