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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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過去編6〜ミラとケイゴ〜

今日は短くてごめんなさい。


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ケイゴと二人でアクアリウムに来ている。


「ここのアクアリウム、久しぶりに来た!」


「イルカ好きでしたよね。」


「うん!ショーが観たい!」


「まだ時間ありますから、それまで回りましょうか。」


「うん!」


「じゃぁ、まずこちらから。」


ケイゴは自然な感じでミラの手を握り引っ張っていく。ミラはドキッとしたが振り払うのも変だと思い、そのままにする。


(ケイゴにとっては妹みたいなもんだもんね。私にとってはお兄ちゃん、お兄ちゃんだから。大学生にとって中学生なんて恋愛対象になり得ない…。)


ミラは自分に言い聞かせる。好きになっても所詮は主従関係。それ以上になれる筈がない。ケイゴが望んでくれない以上、それ以上の関係は望めない。


(デートみたいなんて喜んで馬鹿みたい。きっと前カノがアクアリウムを好きだったのよ。パッと思いついてたし、手だってすぐに繋いで。こんなデートしてたんだろうな。)


「この水槽は綺麗ですね!」


「うん。昔来た時はこんなの無かったよね。」


「数年前に作られたみたいですよ。」


「そうなんだぁ。あっ!タッチプールだって

!」


ミラは目に入った、大きな浅いプールの様な水槽に小走りで近づいていく。


「わー!亀だ!こっちは大きなカニ!」


ミラはプールの縁に手を置き、中を覗き込んでいる。


後から付いて来たケイゴはミラを背中から抱きしめるが如く覆い被さり、ミラの両手を挟む様に手を置く。ケイゴの温もりを背中に感じ、耳の横で離されて心臓が跳ねる。


「触っていいみたいですね。どれを触りますか?」


ミラはドギマギしながら答える。


「こ、この亀さんに、しよう、かな。」


「お嬢に少し似てますもんね。」


「はぁ!?」


ミラは少し怒りながらケイゴを振り返るが、あまりにも近くに顔があり驚く!!


(ち、近!)


ミラはすぐに亀に視線を戻す。


「餌を買って来てくれたら許します。」


「分かりました、お嬢様。」


ケイゴはニヤニヤしながら離れていく。


(揶揄われた…。憎たらしい!)

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