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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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過去編5〜ミラとケイゴ

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さっきからミラのケータイが何回か鳴っている。表示には『先輩』。トラさんはミラに取り継がず無視する。


本当は取り継ぎたいが、この状況の理由を突き止めるまでは取り継げない。しかしケイゴが言うからには多分この『先輩』と言う奴のせいだろう。


ケイゴと会ったであろう時間以降、この人間から3回着信があった。ケイゴの報告が無いうちは出られない。ケイゴはわざと報告を遅らせている。


「電源切っちゃダメかなぁ?」


「『先輩』以外からも連絡は入るだろうから、その時は教えてあげないと。」


「あーそうですね…。」


「まぁケイゴだったら、『先輩』の文字を見た瞬間に問答無用で切ってるだろうな。」


「…(苦笑)ケイゴはあんなに独占欲が強かったんですね。」


「昔からお嬢に関しては執着はしてたよ。態度の端々に見え隠れする、可愛らしいものだったけど。でも自覚してからは俺のモノ感がすごい。」


「…遠くからでも射殺さんばかりに睨みつけて来ますからね。俺らに対しても。」


「お嬢も悪い。何であんなに鈍感なんだ…。」


「そうだ!それに純粋過ぎるんだよ!心配するのは当然だろ!?」


「誰にでも笑顔で接して優しいところもダメだ!」


「あと、突然のボディタッチとか間近で見つめてくるところもなってない!あんなんじゃ勘違いする男が出てくるだろ!」


「ちょっとあんた達…。お嬢の悪口?はやめなさい。」


「タミさん!だってお嬢が男達を惑わせるんですもん。」


「天然なのがタチ悪い!」


「はいはい(苦笑)」


そこへ玄関の開く音がする。


「ただいま戻りました。」


「ケイゴ君お帰り。どうだった…なんて聞くまでもないか。」


「はい。もうあの野郎には会わせません。部活も辞めさせて毎日送り迎えにします。」


「…。」


みんなは目を伏せる。トラさんがオズオズと話す。


「ケイゴ、お前の気持ちはよく分かる。でもお嬢の気持ちは?」


「あいつのせいで食べられなくなったんですよ!」


「そうだとしても、無理矢理引き離せば強く反発し余計に結びつく事もある。最悪の場合、体の関係にでもなったらどうするんだ。」


その言葉を聞いた瞬間、ケイゴの表情は鬼と化す。居合わせた全員が震え上がるほどの。


「ま、まぁそれは…お嬢に限って無いだろうけどね…。相手がケイゴじゃなきゃ嫌がるだろうし。」


「…俺なんかじゃ釣り合いません。」


「自覚してる割には触るなビーム出してるな。」


「…。」


「何で釣り合わないと思うんだ?」


「…立場が違いすぎます。」


「そうか。なら諦めてちゃんと従者の顔をしろ。」


ケイゴは傷ついた顔をする。


「それが出来ないなら、お嬢に告れるくらいの勇気をつけろ。」


「…。」


みんなはケイゴを穏やかな眼差しで見つめる。


「引き離すだけじゃ無く、周りを含めて暖かく包み込んでこそ男だ。」


「…はい。」


「お前はまだ18歳だ。それに付き合った事もないひよっ子だ。」


「何人かとは付き合いましたよ。」


周りのみんながその言葉にびっくりしている。


「えっ!ケイゴ君、付き合った事あるの?しかも何人も!」


「まさかケイゴがナンパだったとはな。」


「…周りが付き合っていたので。」


「えっ?それだけの理由で?」


「…はい。丁度告白されたので付き合ってました。でも暫くすると違うなって思って別れてました。あんまり長く続いたことは無いです。」


「淡々と話しすぎだろ?」


「特に思い入れもないので。」


「まぁお嬢様に気持ちがあったんだから、そりゃ動かされないだろうけど、付き合った方々には失礼ね。」


「…反省してます。」


「お嬢様もそんな感じで付き合われてたのかしら?」


「だとしたら、棚上げですが本当に許せないです。」


「それは俺らだって許せない!」


トントントンと足音が聞こえる。あれはミラの足音。


「何が許せないの?みんな。」


ミラは部屋をのぞいて優しく微笑む。その笑顔はげっそりして痛々しい。みんなは目を逸らす。


「フフッ。あからさまに避けすぎでしょ。」


みんなは口々に「そんなことは…」と気まずそうに言っている。


「今日は気分がいいの!ちょっとお散歩してこようかな!」


「お供します。」


「嫌よ!ケイゴ最近顔が怖いもん。」


ケイゴはハッと気付かされる。


「申し訳ありません。」


「今までみたいに優しいお兄ちゃんでいて欲しいわ!」


「…。気をつけますから、お供させてください。」


「しょうがないなぁ。いいよ!」


「ではアクアリウムなんてどうですか?」


ミラは一瞬微妙な顔をするが、すぐに笑顔になる。


「…うん!行きたい!」



次回はデート

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