オリエンテーション三日目の朝 オトナの会話 時間を遡ってます
オリエンテーション三日目のその後の話です。
ケイゴと結城の関係性も見えるかな?
「どう?卒論は進んだ?昨日やるって言ってたよね?」
職員室で仕事をしていたケイゴに、結城が話かける。
「あー。そうですねぇ、まずまずです。」
昨夜のことを思い出して、頬が緩む。
結城がすかさず突っ込む。
「ミラちゃんといい事あった?」
「それより先生ですね、ミラに昔の話したの。」
ケイゴは昨夜の話題になるのをかわす。
「そうだよ。だって何も知らないんだよ?かわいそうじゃん。」
「当時ミラは小さかったんです。だから教えなかったんです。」
「ならもう教えても良いなよな?」
結城の理屈にため息が出る。
これ以上の会話は不毛だ。
「何でミラちゃんが好きなの?」
「はあ?」
イラついた顔で結城を見る。ミラを否定された気がしたからだ。
「やっ!ごめん、ミラちゃんがどうとかじゃなくて、素朴な疑問!だって、お前ならクラスの一軍女子レベルだって狙えるだろ。」
くだらん話すぎて仕事に戻る。
「特にマキなんて、かわいいし出るとこは出ててー」
「変態教師。」
横目で睨みながら言うと、慌ててつくろうように結城は言った。
「お前と話してる時なんて胸元のボタン外してるから、谷間とか見えるだろ?ミラちゃんとそういう事が出来ない以上、たまにはクラクラっとするだろ!!つまみ食いしたいなぁーとか!」
体をメッチャ乗り出して聞いてくる。
「…通報します。」
手元のスマホじゃなく敢えて職員室の固定電話に手を掛ける。
「やめろー。」
結城は慌てて受話器を抑える。
「別にミラちゃんのこと言ってねーじゃん。」
「ミラに危害を加えるかもしれない性犯罪者予備軍の排除も、俺の仕事ですから。」
ケイゴはシレっと答えた。
「メッチャ愛されてんなぁー。」




