表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

117/243

パーティー当日

今日は朝からパーティーの準備で大忙し(使用人の方々や紫苑さんがね)。パーティーはおお昼から夜だから、それまでは寧ろ放っておかれている私。ケイゴも忙しい様で朝から捕まらない。いいけど…。昨日はいい雰囲気だったんだけどなぁー。


コンコン


ドアがノックされる。


(だれだろう?)


「どうぞ。」


「失礼します。ミラ様、旦那様と奥様がご挨拶をと申しております。」


「えっ?旦那様と奥様?紫苑さんのご両親ですか?」


「さようでございます。ご案内致します。」


ミラは見たことのない執事について行く。サロンに着くとジェスと話していたご両親がこちらに気づき、外交官であるお父様が話しかけて来る。


「ミラさん、初めまして。紫苑の父親のハンス・ルイです。」


「華峯ミラです。以後お見知り置きくだされば幸いでございます。」


ミラは握手を求るが、その手を掬い上げ手の甲にキスをされる。


(さすが本場の紳士!キレイな顔で自然にキス!!)


ミラはドギマギしつつ顔を紅く染める。


「妻のエリーゼです。よろしくお願い致します。」


エリーゼ様のカーテシーにミラも返す。


「手の甲へのキスで真っ赤になるなんて、可愛らしいお嬢さんね。」


「あ、あの、実は婚約の事で謝らなければーーー」


「事情は知ってるわ。ケイゴのためだと聞きました。お気になさらないでね。」


「ですがーーー」


「あの子はまだ結婚をするつもりは無いみたいでね、本当に好きな方が出来るまで待って欲しいと言われているの。でも周りが放っておかないから、表向きは婚約者が欲しいみたいなの。寧ろミラさんに失礼かとも思っていたのよ。」


「いえ、私こそご迷惑をお掛けしているのではと。」


「貴方がKAHO家のご令嬢なんだね。ケイゴの大切なお嬢様。」


そう言われてじっと見られて恥ずかしくなり視線を外す。


「えっとー…。」


「あなた、そんなにジッと見つめたら失礼でしょ?」


「あ、そうだね。ごめんね。ミラさんを呼んだのは、ここで何日か泊まっていたみたいだけど、どうだったかと思ってね。」


「ご当主様の不在時に停留させていただき、申し訳ありません。とても良くしていただきました。ダンスやマナー以外にも色々な授業を受けさせていただき、ありがとうございます。」


「あの家は紫苑の家だから、宿泊についてとやかく言うつもりはありません。ミラさんが快適にお過ごしなら良いなと。」


「とても良くしていただきました。ありがとうございます。」


「ご歓談中に失礼致します。ミラお嬢様、お召し替えの準備が整いました。こちらへお越しください。」


「はい、分かりました。旦那様、奥様、では失礼致します。後ほどまた宜しくお願い致します。」


ミラは丁寧に挨拶をし退室する。


「KAHOのお嬢様というから、どんなに傲慢な方かと思ったら、とても素朴なお嬢さんね。」


「ケイゴは彼女のどこがいいのかな?もっと美人がゴロゴロいた留学中も遊ばなかったし。」


「…二人にしわからない何かがあるのよ。」


「そうだな。」




******



ミラは部屋でドレスに着替え髪をアップにしてもらい、お化粧もしてもらう。


(このドレスステキ。凄く好きな感じだわ。それにこのジュエリーもステキ。ケイゴ褒めてくれるかなぁ。パーティー前には会えるかなぁ?)


そんな事を思っていたが、ケイゴに会えずに時間になってしまう。


「ミラお嬢様、お時間でございます。」


ミラは呼びに来てくれた執事にエスコートされながら会場前に行く。


「お待たせいたしました。」


そこに居た紫苑やその両親は振り向いたかと思うと、凄くびっくりした顔をする。


「?何かありましたか?」


(何だ!?全く普段と違うじゃないか!)


(とても所作が美しい…。普段は田舎娘丸出しなのに。)


(目や表情の使い方が上手だわ…この子のこの空気感を出すのは難しいわね。ステキな淑女と言わざるおえないわね。)


暫くの沈黙の後、取り繕うように紫苑が声をかける。


「凄く美しいね。ドレスが良くにあっています。ケイゴに一番に見せられないのが残念だな。」


「ケイゴは会場ですか?」


「そうだよ。彼はゲストだからね。さぁ、時間だ。行こうか。」


紫苑は左腕を出してくれる。ミラはその腕に手を絡ませる。まるで花嫁の練習みたいな感じだ。


目の前の扉が開き、ご両親が先に入場する。それに続き紫苑とミラが入る。


しかし、ミラが入った瞬間、会場は冷気が立ち込めた様に静まり返り、鋭い氷柱の様な視線がミラに向かって飛んでくるのを感じた。


(やっぱり私では力不足だったな…紫苑さんに申し訳ないな。)


それでもミラは顔を上げ、穏やかな微笑みを崩さず歩み続ける。ふと、視界の端にケイゴが映る。彼は知らない女性と話しており、ミラを見向きもしていなかった。その様子に少し傷つきつつ、ミラは主催者席で挨拶をして来る人達に挨拶を返す。そこで、紫苑に声をかけて来るご令嬢。


「本日はお招き下さりありがとうございます。ところでそちらの方は?」


「こちらは華峯ミラさんです。僕のパートナーです。」


その瞬間、さらに会場から鋭い視線が飛んできた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ