誕生会の準備3
短くてごめんなさい
「ねぇ、ケイゴはミラちゃんを避けているの?」
「は?紫苑何の話?」
「君体調いいんだろ?数日前から。」
「あぁ、そうだけど。」
「じゃあ、何でミラちゃんと会おうとしないの?」
「?してないけど?」
「?でも会って無いんだろ?」
(確かにミラに会えてないけど、わざと避けている訳では…。)
「あぁ、ミラが来ないし会いたく無いらしい。」
「何で?喧嘩でもした?」
「してない…が、もしかしたら今回の事で呆れられたのかも…。」
「何で?」
「部屋に来るメイド達が、ミラは俺に会いたく無いと言ってると教えてくれた。やっぱり過労で倒れる男は嫌いなんだろーな。」
ケイゴはため息をついている。
(うーん?ケイゴとミラちゃん、どうも話が食い違うなぁ…。)
「そんなはずないと思うけどなぁ?」
ケイゴは曖昧な笑みを返す。
「それより、パーティーの準備は進んでるか?」
「ああ、さすがミラちゃんだけあって、既に招待客リストは頭に入ってるし、マナーなダンスも、どこへ出しても恥ずかしくないレベルだよ。」
「そうか。それは素直に嬉しいな。」
ケイゴは自分の事以上によろこぶ。
「本当にミラちゃんが大切なんだね。」
「あぁ。」
ケイゴは窓の外を見ながら遠い目をしている。
「どうしたの?」
「…俺はミラの婚約者だ。でも俺とミラでは立場が違う。今みたいに会いに来てくれないだけで正直不安だ。ましてや会いたく無いと言ってるなんて…。」
「体調良くなったんだから、じっくり話し合いなよ。」
「…そうだな。今ミラは?」
「休憩時間だよ。」
「じゃあ行ってくる。」
「うん。」
(これですれ違いも無くなるな。)
ケイゴが廊下へ出ると、そこにいたメイドが話しかけて来る。
「亜月様、どうなさいましたか?」
「ん?ミラとお茶でもしようと思って。容易してくれる?」
「ミラ様は今お勉強のお時間です。」
「休憩中って聞いたけど?」
「ご自分で復習をされています。とても集中されていますので。」
「そうか。勉強熱心だな。ミラはコン詰めるところがあるから、時々休憩させないとオーバーヒートするんだよ。」
「ですが先程までご休憩なさっていたので、大丈夫かと。」
「…。暫く顔を見てなかったから、少しだけでも見たいんだ。」
「次のご休憩の時になさってはいかがでしょう?再開されて集中も上がってきているかもしれませんし。」
そこへ、ケイゴの部屋から紫苑が出て来る。
「君は何の権限があって、ケイゴがミラちゃんの部屋へ行くのを阻止しるんだ?」
「ご、ご主人様!!!滅相もございません!」
「そうか?さっきから聞いてえれば、どうしても行かせたく無い様に聞こたぞ。」
メイドの顔は真っ青で、小刻みに震えている。あの穏やかな紫苑から、冷気が流れる。
「そんな、そんな事はございません。出過ぎた真似を、申し訳ありません!」
必死に頭を下げる。
ガチャ
そこへ偶々ミラが廊下へ出て来て、異変に気付く。震えながら頭を下げているメイド、見たことのない冷気を漂わせている紫苑、ケイゴもイライラしている様だ。
「…何かあったんですか?」
ミラは恐る恐る尋ねる。
「ミラちゃん、今何してた?」
「へ?あー…遊んでました…すみません…。」
はっ!と気付いた顔をし、ミラはメイドの前へ行き頭を下げる。その行動に今度は紫苑とケイゴが目を丸くする。
「申し訳ありません!遊んでる暇なんて無いのに、遊んでしまいました。メイドさんを叱らないで下さい!パートナーを務めるには寸暇を惜しまなければならないのに。泊めていただいている分際で、本当に申し訳ありません!すぐレッスン再開して下さい!」
(私が休憩してたから、このメイドさんが怒られるなんて…。本当に申し訳ない!)
ミラは目を潤ませて訴える。
「ミラちゃん、何を勘違いしているか分からないけど、今君は休憩時間だ。寸暇を大切大切にする気持ちは素晴らしいよ。でも、休憩時間にしっかり休憩する事も大切だよ?」
「あの…でも…。1人でイケナイことしてても?しかも他人の家で!」
ミラの顔は真っ赤だが真剣な目で紫苑を見る。半分泣きそうだ。その様子に、ミラが何をしていたか紫苑は察して、赤面する。
すかさずケイゴが前に出てミラを抱きしめ紫苑の視線を遮る。
(デジャヴ?)
「お嬢!貴方は何て事を仰るんですか!!部屋失礼しますよ!」
ケイゴはミラを抱えて部屋に入る。
「紫苑、今の発言は忘れろ!あと、メイド達のこと頼む。」
「あ!あぁ。」
紫苑は咳払いをする。
「使用人を全員会議室に招集して。」
「…かしこまりました。」
次回はミラの爆弾発言の内容が明らかに!!




