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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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オリエンテーション三日目 一方ミラは満身創痍

オリエンテーション三日目


朝からスポーツ交流会が行われている。


クラスの交流を深める目的で、誰でも参加出来るような簡単な種目から、得意な人のみ参加する競技もある。


ミラは、玉入れや全員リレーなど、みんなで行うものに参加していた。


綱引きに参加していた時である。息を合わせて綱を引っ張った時、前の人とぶつかり弾かれてしまった。その瞬間強めに足を挫いたらしく、あまりの痛さにすぐに立てず、這って競技から外れる。


(いったーい!!)


すぐに結城が駆け寄って声を掛ける。


「ミラちゃん、大丈夫か?」


「大丈夫ですけど…すぐには立てなさそうです。」


苦笑いしながら答える。


「冷やした方がいいから、保健室行こう。」


すると滝川が近づいてくる。


「俺が職員室連れてきますよ。」


そう言って抱き上げられる。まさかのお姫様抱っこで。


「ひゃ!恥ずかしい、重いし下ろして!」


「大丈夫、俺野球部で鍛えてるから!!」


「野球部なんだ!確かに良い胸板だ!」


ミラは滝川の胸部をペタペタと触る。


「しっかり掴まっててよ。」


と笑い、ミラを抱えながらスタスタ歩いて行った。


その様子を一年の全クラスと教員一同が見ていたことには、気づかなかった。



***


保健室前の札には、「職員室に居ます。」と書かれていた。


「床に置いて!待ってるから、呼んできてもらってもいい?」


「女の子を床に置ける訳ないでしょ!このまま行くよ。」


でも、とミラが言いかけたが、そのまま職員室に行く。両手が塞がっている為、ミラがノックし扉を開ける。滝川は大きな声を出す。


「保健の先生いるー?」


「お!滝川!女の子抱えてどうした?」


「足を挫きまして…。」


ミラの話を聞きながら保健室に戻る。滝川はミラをベッドに降ろすと、戻って行った。


「君は外部生だね。初めまして。擁護教諭の白井です。」


応急処置をしてもらいながら、お互い軽く自己紹介をする。


「病院に行った方がいいから、家の人に電話をしてくるね。迎えが来るまで寝て待ってて。」


「先生、そこまでじゃありません。しばらく休ませてもらえれば、一人で帰れます!」


(ウチの人達に来られるのはあんまりだし。どうしよう。ケイゴを頼る訳にもいかないし…。)


コンコンコン


ノックしながら誰かが入ってくる。


(ケイゴ!!)


「白井先生、華峯さんのご家族には、僕の方から連絡しました。」


「そうなんですね!ありがとうございます。」


「すぐに来られるみたいなので、僕が対応しておきます。」


満面の笑みである。


「そうですか?ではお願いします。」


白井が去ったのを確認するや否や、ケイゴがカツカツと歩いて来た。顔が近い。まるで息がかりそうな距離だ。


「ねーお嬢、貴方は何をやっているんですかねぇ。」


「コケちゃった!あははー。」


「それはお嬢の運動神経を考えたら想定の範囲内です。問題はその後。」


「その後?あー。そうだよね、捻挫くらいで保健室なんて、白井先生に申し訳なかったよね。」


ケイゴはグッと患肢を掴む。突然の痛みに、顔をしかめる。声が出ない。


「こんなに痛いくせに、保健室以外何処に行くんですか。違います。俺が言ってるのは…。」


今度は耳元でいつもより低い声で言った。しかも睨みながら。


「他の男に抱かれたな。」


「言い方!違うでしょ。ただ運搬されただけだよ。」


「姫抱きで?」


声が更に低くなり、怒気を孕んでいる。


「有り体に言えばー、まぁそうですねぇ。」


目が泳ぐミラ。


「しかも、体を堪能したとか。」


「堪能?何のこと?」


「…胸部を触っていたと聞きました。貴方は男性の胸部を触る趣味がお有りなんですか。」


「凄く鍛えてるって言うからつい…。」


笑って誤魔化そうとするミラ。


「俺というものがありながら、見境無くその辺の男の胸部を触るようなエッチな貴方には、お仕置きが必要だ。早く帰りますよ。」


ケイゴはミラに布を掛けて、お姫様抱っこで自分の車まで運んだ。


リアシートにそっと下ろすと、そのまま車を走らせた。


リアシートから運転中のケイゴを見る。鏡越しに一瞬ケイゴと目が合う。


「もしかして、車の中で何かされるかもって思いました?期待させて悪いんですけど、早く病院に連れて行かないと俺が怒られますから、お仕置きは後のお楽しみです。」


そう言って妖艶に微笑む。


(また揶揄われた…!)



***



診察の結果は何も無かった。しかし安静が必要とのことで、残り二日のオリエンテーションは欠席することになった。

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