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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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修一編9〜翌朝〜

カーテンの隙間から、柔らかな朝の光が差し込む。ミラは眩しさに目を覚ます。目を開けてボーっとする。体を起こそうとすると、太ももや腹筋が痛い。足の裏も心なしかジンジンしている気がする。


コンコンコン


扉がノックされる。


「お嬢、起きてますか?」


「どうぞ。」


そう言うとゆっくりドアを開けてケイゴが入ってくる。


「起きられそうですか?」


「…全身が痛くて…。」


「お嬢は運動不足ですからね。昨日はずっとヒールで立ってましたし、相当走らされてましたからね。そうだと思いました。少しマッサージさせて下さい。」


ケイゴは優しく揉んだりさすったりしてくれる。


「あっ、あぁぁ、気持ちい!上手いね^_^」


「そう言う声、出さないでもらえます?」


ジト目で見るケイゴ。


「素直な感想なのに。」


「俺も若い男ですからね、エッチなイタズラしちゃうかも知れませんよ。」


ケイゴはいつもの調子でイジワルを言ってくる。


(昨日は落ち込んでたみたいだから良かった!)


「はい、終わりです!お嬢起きれそうですか?」


ケイゴは背中を支えて抱き起こしてくれる。さっきよりかなり体が楽になっている。


「スゴイ!痛く無い!」


「…昨日すべきだったんですけど…すみません。」


「ううん。ありがとう。休息を優先させてくれたんでしょ?楽になったわ。」


「じゃぁ俺は下がりますから、着替えて朝食に来てください。今日はリモート申請してありますので、もう少しゆっくり出来ますよ。」


「…ケイゴは出勤しちゃうんだよね…?」


「えぇ、まぁそうですね。」


ミラはケイゴの袖口をちょいとつまんでシュンと俯く。


「………寂しい。」


ケイゴは一瞬ビックリして珍しく紅くなる。ちょっと慌てつつミラに言う。


「大丈夫ですよ!すぐに帰って来ます!それに、授業だって1番近くで聞けますよ^_^」


「…そうかもだけど。」


(恋人として今日くらいは一緒にいてあげたいが…。)


ミラはパッと顔を上げて、急に明るく振る舞う。


「なーんてね!冗談冗談!心配した?」


「しましたよ、もちろん。」


「ごめん^_^大丈夫だよー!ここにはおじいちゃんもタミさんも、みんなもいるから。」


(空元気だな。)


ケイゴはミラを抱きしめて口付けをする。その行動にミラは一瞬瞳を見開くが、すぐにとろ〜んとしてしまう。


(慰めてくれてるのね。)


唇が離れ抱き合いながら暫く見つめ合っている。


ドンドンドン!


けたたましいノック音がして、外からタミさんか声をかける。


「お嬢様!起きて下さい!ケイゴも遅刻しますよ!」


2人はどちらとも無く吹き出してしまった。

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