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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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修一編7

「ねぇあんた、さっき周防様にエスコートされてた女よね。」


「…?周防様?」


「そうよ!どういう関係なわけ?」


(さっきの師匠って呼ばれてた人?)


「あの方とは初対面です。」


「嘘をつくな!初対面であんな丁寧なエスコートをするとでも?」


「…そう言われましても…。」


「ちょっと来なさいよ!」


言うのが早いか、ミラは女性用トイレへ連れて行かれる。


「!?」


トイレには他の人達もいる。異様な空気だ。嫌な予感が過ぎるミラ。


「何このブサイク。周防様に色目使って。あんたなんか相手にされる訳ないでしょ。」


「きゃっ!」


後ろから強く押されて床に転んでしまう。


「ふん、いいきみ。これ以上調子に乗るんじゃ無いわよ!」


女達が戻っていく。ミラはゆっくり立ち上がり元いた席に戻る。会場では修一が探してくれていた。


「ミラちゃん、急にいなくなるから心配したよ!」


「あっ。ごめんなさい。お手洗いに…。」


「そうか、良かった。ねぇ、食べる前に暗示をかけさせて。」


「お願いします。」


修一はミラのおでこに手を当てて暗示をかける。


「ありがとうございます!」



******


パーティーも終盤、偽修一と師匠が一緒にミラのところへやって来た。ミラは俯いている。


「さぁ、君の作った最高傑作を見せてくれ。」


「さぁミラ、ご挨拶しなさい。」


「…。」


ミラは俯いたまま黙っている。


「ミラ、どうした?」


「あぁ、いいんだ。緊張しているんだろ?私が直々に暗示をさらに深めてあげよう。従順になる様に。」


師匠はミラの額に手をかざそうとする。その時だ。


「ケイゴ!!」


ミラが急に大きな声を出す。その声に反応して師匠のすぐ後ろに居たケイゴが、師匠に蹴りを喰らわせる。それと同時に本物の修一は、ミラの手を引っ張り倒れかかってくる師匠をサッと避けさせる。


「な、何をする!」


床に這いつくばった師匠を、偽修一が抱き起そうとする。ケイゴはサッと移動しミラを背後に庇う。


「周防お前だな、修一の名を語りミラを拉致監禁してくれたのは。」


ケイゴの地を這う低音が響く。周防と師匠はたじろぐ。


「ミラを人形にして、何が目的だ!」


ケイゴは修一に目配せする。修一はアイコンタクトに頷くと、「走れ!」とミラに耳打ちし、ミラを引っ張り走り出す。ミラも弾かれた様に走る。両足からヒールが飛んだ。


そんな事を気にする暇もなく、兎に角誘導されるままに走る。右に左に引っ張られながら長い廊下や階段を出口に向かって走る。


不意にケイゴが心配になり振り向くミラ。


「修一さん、ケイゴは?」


「大丈夫だ。ケイゴさんはとても強いと聞いてるから。」


「でも!」


「それよりもうすぐ出口だ!」


会場から出ると表に黒塗りの車が止まっていて、ミラと修一を見つけてドアを開けてくれる。2人が飛び乗ったかと思うと、車を発進させる。


「お嬢、ご無事で!」


「林さん!ケイゴがまだ!」


「ケイゴ君なら大丈夫です。もう一台用意してます。それに乗って帰って来るはずです。KAHO家へ向かいます。」


「…お願いします。」


まだ心臓が、バクバクしている。屋敷に着くまで、それ以上の会話は無かった。

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