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何故、こうなったか!!

主人公が何故おっさんの家族の為に隣人を殺害しなければいけなくなったのか!

隣人トラブルとタイムリープを掛け合わせたくて書きました。

読んでいただけたら嬉しいです。



俺の名前は、吉村陸(きちむらりく)

どこにでもいる普通のサラリーマン。年齢は、28歳。

九州の離島に住む母親から、度々お見合い話を紹介されるけれど……。

結婚する気のない俺は、全て断り続け……。

未だ独身。

別に、結婚したくないから問題なし。

そんな俺が、唯一給料を注ぎ込んで推している人物がいる。

それが、【ハニーレモン】ちゃんだ。

ハニーレモンちゃんは、変身する前はただの女子高生。

ハニーレモンちゃんが好きだからといって、俺はけしてロリコンではない。

そもそも。

生身の人間には、何一つ興味がないのだ。

って、話が逸れてしまった。

元に戻そう。

そんな俺は、あの日予約していたハニーレモンちゃんのフィギュアを引き取りに行ったのだ。

限定5体のフィギュアの抽選に当たった俺は、物凄く浮かれていた。

本当は、郵送も出来たのだけれど……。

壊れるリスクや雑に扱われてしまうかも知れないという心配から、店舗での引き取りを選んだのだ。

そして、俺はハニーレモンちゃんを無事に受け取り帰宅する。

このまま、直接帰ればよかったのに浮かれていた俺は寿司屋に入った。

回る寿司にしとけばよかったのに、この日はテンションMAXで回らない寿司の【神楽】に入ってしまったのだ。

【神楽】は、回らないお寿司の中でもそこそこ良心的なお店で……。

俺みたいな安月給の奴でも、月に1度はこれてしまうお店だった。

実際には、2、3ヶ月に1回しか来ていなかったけれど……。

この日、【神楽】はほぼ満席で。

俺は、1人だからと大将にカウンター席でお願いしますと言われたのだ。

本当は、ここでハニーレモンちゃんのフィギュアを取り出して一緒にお寿司を食べたい所だったのだが……。

仕方なく、足元にあるかごに置いた。

俺の隣には、初めて会う親子連れがいる。

俺は、寿司を注文する。

店員さんが持ってきてくれたあがりをいつもの癖で左手の所に置き。

俺は、寿司を堪能していた……。

家では、1人なので……普通に左手の所に置いてしまっているせいで……。

それで、俺は隣のおっさんのあがりを飲んでしまったのだ。



「あ、あの……。それ、私のです」

「えっ、あっ、すみません。本当にすみません」

「飲んでしまったものは仕方ないんですが……。困るんです」

「えっ?何がですか?あっ、店員さんに新しいの頼みますね」

「そうじゃないんですよ」

「何でしょうか?」

「ここでは話せなくて……」



正直、変なやつでめんどくさそうだと思った俺はさっさと寿司を食べて店を出た。

お会計をして、店を出ると……。

すぐに隣のおっさんが追いかけてくる。




「すみません。話を聞いて下さい」

「あの、さっきから何なんですか?たかが、あがりを飲んだぐらいで、ここまでやりますか?あんまりしつこいと警察に行きますよ」

「警察って。だったら、君は窃盗犯だな!」



おっさんに怒鳴られて俺はめんどくさい顔をした。



「窃盗犯って、あがり飲んだぐらいで大袈裟でしょ?」

「あがりじゃない。君が手に持っているそれの事を言ってるんだ」



俺は、おっさんに指を指された紙袋を見つめる。

これは、ハニーレモンちゃんが入っているわけで盗んだわけじゃない。



「これは、俺の大事なフィギュアですよ?」

「君のフィギュアとやらは、これじゃないのか?」



おっさんは、何故か同じ色の紙袋を持っている。



「ま、まさか!!」

「違うなら、中身を見てみろ」



おっさんに言われて、俺は中身を覗き込む。




「何だよ、これ……」



覗いた瞬間にわかる。

ビーカーや試験管が入っているのが……。

普通なら、音で気づくのに……。

気づかなかったのは、浮かれていたからだ。




「す、すみませんでした。こちらは、お返ししますから……」

「いや、こちらは人質に預かっておく」

「はあ?何だよそれ。警察に通報するって事か?」

「通報?そんなものはしない。私は、君のせいで10年間かけて完成させたものを盗まれたんだ」

「何言ってんだよ!そんなもの盗んだ覚えはねーーよ。兎に角、ハニーレモンちゃんを返せ!クソジジイ」




俺が、ハニーレモンちゃんを取り返そうとした時だった。



パアーーン……。

乾いた銃声が響き渡る。




「マ、ママ。何をしてるんだ?」

「だ、だって……。この人がパパの研究を盗んだって言うじゃない。あんなに必死に頑張ってきて、これが成功したらあいつを追い出せるのに……」



何の話をしてるんだ……?

あいつって何だ……?




「だけど、まだマウス実験までしかしてないから……。人間ではどうなるかわからないんだよ」

「そ、そんな事言われたって。私達家族は10年もあいつに苦しめられてきたのよ」



激しい痛みと出血。

目の前がチカチカして、意識が薄れていく。

寿司なんか食べに行かなければよかった。

ハニーレモンちゃんを郵送にしておけばよかった。

後悔しても仕方ない。




ドサッ……。


体がいう事をきかず、俺はその場に倒れた。


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