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人間的機械と機械的人間

私はね、裏ではやばい仕事してるけど

表では研究医でもあり、臨床医でもあるの


「精神科的な?」


そう、正確には、脳神経外科を選んだの

でも、精神科にも興味があるの


「私のこと、じゃわかるの?」


うーん、精神科としてじゃなくて、なんとなく、

破滅的な思考を持ってるのはわかる

死に対する耐性が異常だからさ


「そんなことないよー」


 そんなこと以外ないだろ


私は電気療法に可能性を見出してる


 そう、私も破滅的な思考を持ってる

だから、まともに世界を救おうなんて考えてない

だって、平気で人を侮辱する人や、強盗とか、まともじゃないことをしてる人が大勢いる

毎年、2万人以上の自殺者がいて、セルフネグレクトや、強迫性障害、躁鬱、単純に辛い人たち

そういう人がいるのに、普通に人を貶める人たちがいるこの世の中

正気の沙汰じゃねー

だからまともじゃないやつと戦うためには、

私がもっと、まともじゃなくなるしかない

人の脳を医学でコントロールできれば、安心できる人たちが増える

何よりも、平等な社会になるだろう

 これは普通のことだろ

でもこの正義感もどこか悪に見えるんだろう

つまり、私はエゴで動いている

この暑苦しさが人を貶めることもある

だから人と話す時、私は決してトゲを出さない

踏み出せてそうで、踏み出せてないように見える

そういう意味ではミッキーマウスが必要なのかもな


さやちゃん、私は医療で機械的な人間を作ろうとしてるの

自分で感情をコントロールできて、

寿命もほぼ永遠になって、死にたい時に死ねる

ターミネーターみたいに、機械が世界を支配するんじゃない

人間が機械になって世界に居続ける

そっちの方が可能性として高いの

もうすぐ、そういう時代がくる


「私がどんなぬいぐるみを作りたいかわかる?」


?…

そういうことね!


「そう、私は友達と思えるような人が欲しかった

だからぬいぐるみに名前をつけて、可愛がったの」


 わかるわー あのぬいぐるみどこ行ったんだろう…


「いつしか、なんか声が聞こえる気がしてきたの…」

ある時、ぬいぐるみは捨てられた

私にとって、最愛の子どもがね…

寂しくて…大人になって、ペットを飼ったの

そしたら、ぬいぐるみの時より、寂しくなくなったんだ…

でもペットを飼えない人にとってこの感覚を味わうことはできない

だから、私は始め、ぬいぐるみに米を詰め込んで呪術師に亡くなった人を憑依させて欲しいと頼んだ、

そうすれば、生きていると思い込みやすくなると思ってね…

でも、それじゃまだ足りない

そして、本物の生きているような人形を作ったんだ

人間そっくりだから、変装用のマスクとかにも応用できて、それを求める人が結構いたから、採算は取れた

私はそういう思い込んで、友達になれるようなぬいぐるみを作りたいなって思ってるんだー


桃華/もしかして、アンドロイドみたいな?


「なんでわかったの?私は機械工学も学んだんだ!

感情はなくてもいい、でも、人形だとバレない相棒さんが付いていれば、誰も怖くなくなるんじゃないかなって思ったの」


 彼女は少し泣いているように見えた


私も…好きだよ

今度ぬいぐるみ見たいなー


「じゃ、私のお家来て!」


新たな冒険がまた始まる

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