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道楽草  作者: 十三岡繁
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確率とうさぎと亀

 昔から腑に落ちない事として確率があります。例えば完全にどの目が出る確率も1/6なサイコロを使って賭けをするとします。まず本番前に一度振って1が出たとしましょう。では本番ではどの数字に掛けますか?


 完全に1/6の確率で全ての数字が出るサイコロであれば、本番を振る時はどの数字に掛けても勝てる確率は一緒のはずです。ただ1万回とか振って行けば、それぞれの目が出た回数は同じぐらいになるはずです。という事は最初に出た1の目は他の数に比べてほんのわずかだけ、出る確率が低いという事になります。感覚的に人はそう感じるので1に掛ける人は一番少なくなるでしょう(実際には1が出やすいと予測して1に掛ける人が多いかもしれませんが、あくまで完全に1/6としての話です)。これって大きな矛盾だと思いませんか?


 また大学では数学専攻だった父が、私が子供の頃によく言っていた話です。『ウサギに亀は抜けない…』童話とはまた違った話です。もし亀がうさぎよりも先にスタートしたとして、少しの差なら移動速度の速いウサギがすぐに追い抜く事でしょう。実際そうです。


 しかし詳細に考えてみます。一度先行した亀の位置に、ウサギが到達する時には亀は少しだけまた先に進んでいます。そうしてその先に進んだ亀の位置にウサギが到達すると、亀はまた少し進んでいます。これが繰り返されるのでウサギは永遠に亀を抜くことはできないだろうという理屈です。


 微積を習ってゼロに収束するみたいな話を聞けば、なんとなく分かったような気になりますが、結構納得いってません。現在の最先端物理学では、極微小な世界においては物理法則は異なっていて、次元すら違っているという話です。亀のリードはどんどんと小さくなっていきますが、行きつくところはこの微小な世界なのではないでしょうか?


 先に書いた確率と、この微小な世界の自分が普段感じている事との矛盾の中に、世界の秘密が隠されているような気がしてなりません。

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