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道楽草  作者: 十三岡繁
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十坊山

 昨日は天気が良かったので、福岡県と佐賀県の県境にある十坊山に登ってきました。十坊山と書いてトンボ山と読みます。読み方はかわいいんですが、名前の由来については諸説あります。


 もっとも広く知られているのは、戦乱時にこの山頂でお坊さんが十人処刑されたというもので、かなりセンセーショナルです。頂上にはどうしてこんなものがこんなところにと思える大きな石が鎮座していて、中央から真っ二つに割れています。


 その下の方には解読不能な漢文が書かれた石碑が置いてあったりします。山頂からの眺めは360度の大パノラマで、どこを向いても山と海が眼前に広がります。前出の大きな石には鎖もぶら下げられているので、登ることもできます。結構怖いですがこの上からの景観は更に素晴らしいです。


 山を下りると、登山口付近には昔弘法大師が開いたと伝わる「まむしの湯」という温泉があります。ここの名前の由来も、まむしにかまれた人間を癒すために弘法大師が温泉を噴き出させたのが始まりで、毒蛇に噛まれた人間が湯治に訪れて今に至るという話です。


 山に登っていて驚くのは、街と違って人間が手を付けることが困難なので、とんでもなく古いものがたくさん残っているところです。2、300年前くらいのものは普通の存在で、4、500年前の史跡とかもあったりします。いや、もっと前のものもあるんでしょう。年号が刻まれているものでなければ、専門家でない私には分かりませんが…。

 山は古来から地域の信仰の対象であったんでしょう。低山の場合山頂には神社や祠が置かれている事が多いです。登山道の途中には数多くの地蔵や、大きな岩には不動明王が書かれていたりします。


 そうしてそれらを数百年前の人が辿った、その同じ山道を歩いて巡って行けるというのは何とも贅沢な体験です。ディズニーランドや遊園地と違って、待ち時間もありません。好きなだけ眺めていることができます。

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