道路上のG
G線上のアリアみたいな題にしましたが、虫の苦手な人は読まない方がいいかもしれません。
自宅から仕事場までは歩いて30分ぐらいです。自転車などは使わずに健康の為にも歩いて通っています。移動速度が低いほど周辺情報はたくさん入ってきます。『ああ、この店は潰れたな。ここの工事はここまで進んだか…』結構な街中なので、人工物の方が目につきます。
ただ最近気になっていることがあります。道路上にゴキブリの死体がよく転がってるんです。今朝も来る途中に二匹ほど見かけました。今まで意識していなかっただけという可能性もありますが、30分歩いただけで二匹っていうのは多いように思います。今日に限らずよく見かけるなと思い始めたのは最近です。
一体どんな可能性が考えられるのか?ゴキブリ…ここからはGと書きます…の数が増えた?猫などの捕食者が減っている?Gの限界温度を最近の猛暑が超えてしまった?Gの種類はよく分かりませんが、最後のヤツは可能性が高いような気がします。
家の中で死骸を見るならともかく、道路上という事は移動している間にくたばってしまったという事です。日中はアスファルトは凄い温度になるんでしょうね。
話は変わりますが、先日久々に映画『ブレードランナー』を見ました。建築をやっている人はみんなこの映画が好きだと思います。何回見ても見飽きない映像美なんですが、今回は植物に注目して見てみました。どのシーンでも一切、土と緑は出てきません。『ブレードランナー』は数バージョンありますが、見たのはディレクターズカット版です。ラストの緑の中を走り抜けていくシーンはありません。
映画に出てくる街はいつでも薄暗くて雨が降っています。緑も土もありません。全てが人工物に覆われています。同様に実際の街もアスファルトに覆われていなければG達は死なないで済んだかもしれませんね。
福岡と佐賀の県境にある脊振山地では、運がよければ銀竜草、別名幽霊草という変わった植物が見られます。この葉緑体を持たない植物はGと共生関係にあるんだそうです。登山道はもちろん舗装はされていません。
ああ、ディレクターズカット版でも出てくる緑が一つだけありました。主人公デッカーが見る、森の中をユニコーンが走っている夢の場面です。これは夢の中だからノーカウントです。




