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道楽草  作者: 十三岡繁
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ヘリックス

 スパイラルと聞くと、螺旋という意味に受け取る人が多い。しかし実は英語のスパイラルの和訳は渦巻で、螺旋の英訳はヘリックスである。混同しがちだが、スパイラルは2次元の曲線運動であって、三次元の高さ方向の動きが加わるとヘリックスである。


 月は地球のまわりをぐるぐるまわっているが、地球自体も太陽のまわりをまわっているので、月の運動軌跡は螺旋…ヘリックスである。そうして地球も太陽のまわりをまわっているが、太陽自体も銀河系の中ではぐるぐるとまわっている存在である。銀河系ももっと大きな単位で見れば動いている。


 なので単純な周回運動(楕円軌道も含めて)というものは存在していない。但し地球から見れば月は単純な周回運動をしているように見える。何を基準にしてみるかで変わってくるという事だ。宇宙には中心というものが存在しないし…全てが中心ともいえるが…決まった基準点が無いのだから、何かに対して相対的にどう動いているとしか言えない。


 仏教を代表例として、数多くの宗教には輪廻転生という考え方が存在する。ぐるぐると命はまわっているという事らしい。まわっているほうからするとそうかもしれないが、これも見方を変えるともう一つの軸方向に動いているヘリックス運動かもしれない。まわっているうちにどこかへ進んでいくのだ。輪廻からの解脱を目標とするのが仏教であるとすれば、ヘリックスである限り放っておいてもそこから抜け出せるんじゃないかと思う。


 そう言えば螺旋階段を英訳するときは”スパイラル”という表現を使う。非常に紛らわしい。

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