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道楽草  作者: 十三岡繁
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芸術は長く人生は短し

 故人となってしまった坂本龍一氏が好んだ言葉です。人生は短いが、その人生で残した芸術は長く残る…。


 建築は一般の人には建築物、即ち建物の事だと誤解されがちですが、であれば芸術としては短いものが多いような気がします。ギリシャやローマの遺跡、法隆寺を始めとする寺社仏閣建築など、人間の寿命よりはるかに長く残っている建築物も多々あります。


 ただ現代の建物は多くは経済的な理由によって、50年間解体されずに残っていれば御の字な位の存在になってしまっています。そのこと自体も寂しい話ですが、建築はモノでは無くてコトである事には救いを求めたくなります。


 例えば先日花見に行った福岡城跡のイベント名は、『福岡城さくら祭り』です。もちろん建物としての福岡城は、ごくほんの一部を残して今は存在していません。しかし『福岡城跡さくら祭り』では無くて『福岡城さくら祭り』なわけです。

 

 外構や町の構成、時には人の記憶や生活習慣などそれら全てが建築です。本来はそうなんですが、再開発なんかだとそれまでの街並みや人々の生活、思いなんかも一切無視して一切がっさいを更にして、ゼロから新しいものになったりします。それもまた建築のひとつの形ではあるとは思うんですが、どうにも個人的には好きにはなれません。


 大分が産んだ偉大な建築家…今は故人になってしまいましたが、磯崎新氏は晩年は絵をよく描いてらっしゃったそうです。建築はすぐに壊されてしまうが、絵は残る…そんな事を言ったとか言わなかったとか…。

 氏の作品で博多の人間にはお馴染みの西日本シティー銀行本店というのが博多駅の目の前に建っていました。それは市民が気が付くことなくひっそりと解体されて、今も建て替え工事が続いています。


 文章もいいですね。ネットが普及した今となっては、一度書いた文章はネットに流すことで、もしかすると人間の文明が滅びるまで永遠に存在し続けるかもしれません。絵というのは物理的な存在が大きいです。もちろんコトとしての側面も建築と同様だと思いますが、文章には物理的な実態が無くて初めからコトのような気がします。

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