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道楽草  作者: 十三岡繁
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やっつけ仕事

 今の若い人は驚くと思いますが、平成元年の企業の時価総額ランキングで世界トップ10のうち、7つが日本企業でした。現在は10位どころか50位以内に一社も入っていません。最後まで残っていたトヨタ自動車ですらランク外になったようです。


 国内では値上げラッシュ、アメリカでも物価高が聞こえてきます。しかしながらアメリカ人と日本人ではその所得差は、ほぼ2倍くらいまで開いてしまいました。昔は東京は世界一物価が高いなどと言われたものです。この三十数年でどうしてこうなってしまったんでしょうか?

 

 やはり日本社会がIT化に乗り遅れたというのは大きいと思います。最近のマイナンバーカードのゴタゴタを見ていればそれは確かにそうだとは思います。しかしながら既にマイナカードを作った人なら共感してくれる人も多いと思いますが、私が一番驚いたのはそのデザインです。


 何でしょう…日本で言うなら昭和の香りがします。海外の発展途上国なら、こんなデザインのカードもありそうな気がします。そんなレベルです。近所のスーパーのメンバーカードでももう少しましなデザインだと思います。


 見た目なんかどうでもいいという人もいると思います。ただそこに一番当てはまりそうな言葉は「やっつけ」だと個人的には思います。この「やっつけ」、やっつけ仕事と言い換えてもいいかもしれませんが、それが最近日本に蔓延してきているような気がします。『やればいいんだろうやれば』と、思いながらする仕事でいいものなんてできません。


 何らかの業務で発注元が国や自治体もしくはその関連機関だった場合、元々の発注額はそれなりにちゃんとしてると思います。それが下請け、孫請け、更に何重にも下に流れて行って、実際に仕事をする人に渡るのは、とんでもなく安い額になっているのが現状だと思います。


 実際に体を動かして何かを作ったり動かしている人を、軽んじた結果が現状に繋がっていると思います。流石に自分の仕事に対する誇りだけでは、首がまわらなくなってきている気がします。

 私は建築設計を生業としていますが、大学では設計者は職人だという教育を受けきました。職人は仕事に対する誇りが原動力です。でもそれだけでは生活が立ち行かない場合もあります。現在建築の現場では、ちゃんとした仕事のできる職人さんが減ってきています。きっとこれは建築の世界だけの話だけではないと思います。


 何が言いたいのか…その全てが悪だとは言いませんが、天下りはやめましょう。言い方が悪かったです。天下りは良くないことだ、恥ずべき行為だという意識をみんなで持ちましょう(利権に関係なくきちんと自分の頭なり体なりを使って仕事をしている人はもちろん別です)。法律で規制するとかではなくて、子供や孫には恥ずかしくてとても言えたもんじゃない位にしていきましょう。


 ええ!何そのまとめ…と思う人も多いでしょう。でも官庁絡みの仕事をしたことがある人には分かってもらえると思います。全ての元凶がそこにあるとはもちろん思ってません。ただ世間で言われている以上にそこの責任は大きいと個人的には思っています。


 とりあえずそんなところから始めてみませんか?

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