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道楽草  作者: 十三岡繁
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チタン建築

 Youtubeで、未来都市の動画を見ていて思いつきました。こんな無理な構造体が本当にできるんだろうかという問いの答え……できますね。


 現在建築を作るときの主要構造体は鉄です。コンクリートも鉄があってこそ、その力を発揮できます。しかしすでに人間は鉄を超える金属素材に出会っています。それはチタンです。


 すでに眼鏡だったり、アウトドア用品など軽くしたいものには使われています。重量が軽いし強度も桁違いです。それでいて耐久性も鉄とは比較になりません。元素としての埋蔵量も十分です。ではなぜそんな理想的な素材が今は広く使われていないのか?


 それはコストの問題です。加工するのは技術的に難しくて手間がかかります。製錬も手間もかかればエネルギーを消費します……あれ? それってヒューマノイドが人間の労働力にとってかわったとき、障害にならないですよね。もちろんAIも人間を超えてしまって核融合が実用化されれば、エネルギーの問題もなくなるでしょう。


 そうなると、性能的には完全に鉄の上位互換であるチタンが、主要材料になるのは当然の成り行きですう。なるほど、地球型の惑星で文明がもっと発達した星があれば、建築の構造部材はまずはチタンになっているでしょう(さらに進めばもっとすごいものも出てきそうですが天然素材として)。これって地球でも、結構数十年から長くても100年スパンで現実になりそうな気がします。

 

 そうして大切なのはチタンの強度と重量です。自重が減って強度が増せば、作れる形状の自由度が今より格段に上がります。大きな無柱空間や片持ち梁なんてお手の物でしょう。完全に宙に浮いてでもいない限り、大抵の形は実現できるような気がします。建築の概念も大きく変わるでしょう。主要構造部の寿命が1000年単位となるので、人間が寿命の単位でいじるのは表層部分だけとかになりそうな気がします。


 建築だけの話ではないです。遺跡から出土する青銅器なんかを見て、文明レベルが低いななんて思ったりしますが、そこからちょっと時代が進めば鉄が出てきますよね。いまだに人類はその鉄中心で動いています。未来人は今ぐらいの時代の遺跡を見て、まだ鉄なんか使ってるよと笑うんでしょうね。


 AIやヒューマノイドの台頭は、実は素材の変革と同じ意味を持っていたんですね。建築だけではないです。自動車や機械製品はもちろん、ヒューマノイドの外殻もチタンになるでしょう。これは従来の住宅の床荷重が、ヒューマノイドの重量に耐えられるのかを心配しなくてもよくなりそうです。

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