ホップ・ステップ・ジャンプ
親の介護で福岡と東京を往復する日々です。もちろん車いすをひいたことは、今までにもありましたが、ここまで本格的に介助するのは初めての経験です。そうなると色々なものが見えてきます。
普段は全く気にしていない道路の傾斜や歩道の段差、エントランスやアプローチにも段差がありますし、電車ではホームと車両の隙間も駅によって全然違います。多目的トイレの必要性や、各種店舗の陳列棚やトイレの整備具合なんかも気にかかります。
今まで建築の設計という仕事をしてきて、もちろんバリアフリーの基準を勉強して設計内容に反映させてきましたが、やはり知識として知っている話と、実際に自分が体験する事の間には大きな隔たりがあります。体に不具合を抱える親には申し訳ないですが、とてもいい勉強になりました。
‥‥…普通ならここで終わりの話なんですが、今回また介護の為に東京に滞在している間に、あろうことか自分の身にも人生初の痛風発作が降りかかりました。発症後しばらくはまともに歩くことができません。杖をついてやっとという感じです。なんだったら外出時は車いすで移動したい位です。
そうなると今度は介助の立場からではなくて、当事者としてさらにまた色々なところが見えてきます。歩行者信号の点灯時間や受付カウンターの杖立の存在、家の中でも手すりの設置位置や高さなど、色々な事が更なる実感を持った経験として入ってきます。
この文章の題名ホップステップジャンプはまさにこの事です。
設計者→介助者→当事者
と、一気に勉強の機会を得ました。傍から見るとなかなかに不幸な感じがしなくもないですが、意外と心情的にはそうでもないです。これから更に加齢していくと、まだまだ色々な事が経験できそうですね。
そういえば家の中や社会インフラの不具合の他にも大きな発見がありました。それは街の人々のやさしさです。色々とお声がけいただくほかにも、無言で明らかにこちらの助けになるような行動をしてくれている人に多々出会いました。確かに自分も逆の立場ならそうするなとは思いましたが、そのありがたさは逆の立場になったとき身に沁みます。これは海外ではどうなのかは知りませんが、とりあえず体験的には日本人っていいなと思わせてくれました。




