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道楽草  作者: 十三岡繁
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銀座ソニーパーク

 久々にワクワクする建築を見たので、ここで書こうと思う。銀座の数寄屋橋交差点にあったソニービルは、最近建て替えられてソニーパークとなった。近年ビルの建て替えといえば、容積率いっぱいまで上に伸ばして、延べ面積を稼ぐ。そうした方が賃料での稼ぎがいいからだ。

 福岡市ではそれで固定資産税も稼げるとのことで容積率が緩和され、天神ビッグバンと呼ばれるビルの建て替えが進んでいる。それは資本主義の社会なんだから仕方がない。しかし、それだけしかなければつまらない。息が詰まる。


 このソニーパークは訪れて暫くは何の建物なのかが分からなかった。私が行ったとき、一応ゲーム機の展示はしていたが、それとて一時利用といった感じだった。そうして多くのスペースは手つかずだ。


 1番集客が見込める一階部分には何もない。地下に飲食店は入っている。そこで初めてここが公園であることに気がついた。最初から建物名にパークがついているんだから当たり前だ。しかしこの銀座の一等地に、一民間企業が公園を作るなどということは、全く思いもよらなかった。先入観が目を曇らせていた。


 よくよく考えれば螺旋状に登っていく階段は、特に立ち入り禁止ということもなく屋上まで上がっていける。最上階には屋根すらついていない。もしかしたら法的には屋外階段なのかもしれない。そうして屋上にも一階にも、座れる場所が多々用意されているのだ。


 そこに座れば、交差点に対してオープンなので道行く人を眺められる。逆に道行く人からも丸見えなので、そうそう悪いこともできないだろう。建築そのものが公園になっているのだ。コルビジェの都市建築でのピロティ空間の提案は、きっとこんな事を言っていたんだろうなと思う。


 完全に商売っ気が無いかといえばそんな事もない。外装に張り巡らされたステンレスの格子フレームは、広告などに利用するためのものだろう。しかし行った時に掲げられていたグラフィックは、広告というよりは作品だった。


 隣のガラスブロックで囲まれたビルとも対照的だ。内部も荒々しいコンクリートの打ち放しで、セパ穴という施工時にできる穴は粗く埋められている。それでいて現場では特に嫌がられる、ピン角と言う納まりになっている。コンクリートの角がとんがっているのだ。


 一体一階部分の防水はどうなっているのだろう? もう技術的には疑問だらけだ。これはスーパーゼネコンの中では、竹中工務店でしかできないだろうなと思った。事実関係は知らないが、よく竹中が作ると雨が漏ると言われる。それをいい意味で取るか悪い意味で取るかは、ひとそれぞれだ。よく建築家が設計した建物は雨が漏ると言われたりするが、あれと同じだと思っている。


 雨が絶対に漏れないようにするなら、潜水艦でも作ればいい。しかし「そこに建築の本質はありますか?」という問いかけがあるのはいつものことだ。勿論私は自分の設計する建物で雨は漏って欲しくないし、その部分の優先順位はかなり高い。しかし一番かといえば、限りなく近いがそうでは無い。


 全然書き足りないので、この話はまた次の機会にも書いていこうと思う。

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