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道楽草  作者: 十三岡繁
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生と死と

 ここ最近かつて見知った方々の訃報が多いように感じてしまう。自分が歳をとっただけなんだろうなとは思うのだけど、身近な友人もポツポツと無くなり始めた。自分も随分と前に人生の折り返し地点を越えたのだろう。



 しかし最近の大きな興味の対象である量子力学の世界では、特にミクロな部分においては状態は重ね合わせの状態にあるという。白か黒かでは無く、グレーでもない。白でもあり黒でもあるのが世界の在り方の様だ。



 死からは誰も逃れることはできない。大きな帝国を興した皇帝も、偉大な宗教家も、気の遠くなるような資産を持つ大金持ちでもそれは同じことだ。



 しかし死とは逃れる必要のあるものなのだろうか?生きている状態も死んでいる状態も、実は表裏一体で量子力学的にはもしかしたら両者は常に重なり合った状態なのかもしれない。生という状態がたまたま続いた部分を人生と捉えているのかもしれない。



 昨日キャンプの朝食で、友人の香典返しの『鶏めしの素』を使ってご飯を炊いた。故人は山を愛した男だった。いくつか入った詰め合わせだったが、山ごはんなどで一個二個と減って行って、それが最後の一つだった。乾物なのに賞味期限が切れていた。あの日からもう1年以上が経ったという事なのだろう。


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