3I/ATLAS追記
前回の追記です。この天体が黄道面を通過していくのがどれほど不思議なのかを追記します。
太陽系は太陽を中心に各惑星が公転していますが、銀河系も同じです。銀河には中心があって、我々の太陽系も公転しています。更に銀河系自体もスケールを上げると動いていますが、とりあえず銀河系内だけで考えてみましょう。
地球の公転速度は約30km/秒なので時速に直すと、10万Kmで既に想像を絶するスピードです。しかし太陽系の銀河内での公転速度は、これの更に8倍以上です。かなりのスピードで動いています。しかしまぁそこにたまたま、外から何かがやってくることはあるでしょう。
気になるのはやはりその軌道の角度です。今のところ3I/ATLASはその運動方向から、銀河の中心部分から飛来してきたと考えられれています。なので銀河公転面と、太陽系の黄道面が同一、若しくは水平であれば、今回の軌道をとる事も分からなくはないです。しかし実際の黄道面は銀河公転面に対して60度傾いているんだそうです。なのでその角度でたまたま入ってくるというのはかなり異常です。よく曲がるカーブやフォークでもそんなには変化しないでしょう。
今回観測した太陽系外由来の天体が300例目とかであるなら、確率的にあるかもしれません。しかしたったの3例目です。これはちょっとヤバいような気すらします。もしかするとまだ分かっていない物理法則があるのかもしれませんが、そうでなければ、何らかの意図がそこに介在していないと説明がつかないでしょう。
そんわけないだろうという先入観がどうしても捨てきれませんが、これでも私も理系の端くれです。分かっている事実だけから見ると、ハーバード大学の教授が、異星人の仕業である可能性を考えないといけないと言っているのは、結構な説得力があるように感じてしまいます。
この事が現在世間的に、大きな話題になっていないのが、逆に気になります。
但し一つだけ考えておかなければいけないのは、観測のバイアスです。もともとATLASは地球に接近する小惑星などを捉えるためのものです。なので特に黄道面付近で動く天体を発見しやすいという偏りがあるでしょう。今までも色々な太陽系外由来天体は来ていたが、発見できていないだけ。たかたま今回は発見できたが、それは黄道面に近い軌道をとっていたからだ……そんな可能性はありそうです。




